2019 Fiscal Year Research-status Report
小児内視鏡手術トレーニングのための客観性と即時性を備えた手技評価システムの開発
Project/Area Number |
18K18165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高本 尚弘 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (60814704)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 内視鏡外科手術 / 小児 / 高難度症例 / トレーニング / 手技評価 / 客観性 / 即時性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高難度小児内視鏡手術は小児独自の技術が医師に要求されるが、多くの小児外科疾患は希少で内視鏡手術を行う機会が制限されon the job trainingとなっている。そのため、術前トレーニングの必要性が認識され様々なツールが開発されてきたが、訓練者にとって魅力的なツールがない。その一因として手技評価方法が十分に確立されておらず、特に手技操作中の手技評価方法は有用なものが少ない上、評価結果をすぐに訓練者にフィードバックできていない。そこで、本研究は、小児疾患モデルを用いて縫合時の鉗子操作を客観的かつ迅速に評価する方法を開発することを目的とする。 鉗子の速度や加速度を計測するために協力企業とともにハプティックデバイスの技術を利用して達成し、評価手法の確立を行う。今年度は鉗子のシャフトの根元に取りつけたセンサからのデータを検出しモニター上に表示する機構を開発した。鉗子先端に生じる力を検出可能となったものの、押し引きの方向以外の横方向など他の方向にも力が発生しており、この補正や与えられる電圧の増減を調整する課題が残った。さらに、将来医師が使用するためには、センサを取りつける機構の軽量化が必要である。 もう一方の手技評価方法としては、操作の正確性を迅速に評価するため、訓練者の手技を録画した画像を用いた画像認識の手法で、手技を自動解析評価するシステムを開発する。今年度は協力企業とともに画像解析手法の検討を行った。手術動画にオプティカルフローを適用し、手術具の動きをヒストグラム表現することで手技評価推定の可能性を模索した。また、機械学習による自動評価を目指し、把持鉗子、剪刀、針の有無に関するクラス分類、鉗子や針の物体検出およびトラッキングを行い、これらの精度を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
鉗子先端に生じる力を検出可能となったものの、押し引きの方向以外の横方向など他の方向にも力が発生しており、この補正や与えられる電圧の増減を調整する課題が残った。さらに、将来医師が使用するためには、センサがやや重く普段臨床で使用している鉗子とは重心がずれているため、取りつけるセンサの軽量化が必要である。 画像解析については、把持鉗子や剪刀については比較的検出良好であるものの、鉗子同士が重なることにより鉗子先端を検出することができない時間帯がある。そのため、一を推定し補完するシステムが必要である。また、針については機械学習では検出が難しい可能性があり、別の方法を提案する必要がある。 以上より進捗状況については遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
鉗子先端の速度や加速度、位置を計測するシステムの開発については、実際の医師のニーズにあうよう軽量化、小型化を進める。また、熟練度の異なる医師のデータを集め、どのような評価項目が技術の違いを判別するのに有用か検証する。 画像解析を用いた評価手法に関しては、機械学習による物体検出、鉗子や針の位置情報が取得でき、鉗子の状態を推定していく。サンプルデータを用いてこれらの手法が有用か検証する。
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Causes of Carryover |
鉗子先端の位置や速度の計測に関する物品を購入したが、画像解析手法の検討については、その手法が固まっておらず次年度に使用する予定とした。
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