2021 Fiscal Year Research-status Report
小児内視鏡手術トレーニングのための客観性と即時性を備えた手技評価システムの開発
Project/Area Number |
18K18165
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高本 尚弘 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60814704)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 小児 / 内視鏡手術 / 鉗子 / 圧検出 / トレーニング / 手技評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
高難度小児内視鏡手術は小児独自の技術が医師に要求されるが、多くの小児外科疾患は希少で内視鏡手術を行う機会が制限されon the job trainingとなっている。そのため、術前トレーニングの必要性が認識され様々なツールが開発されてきたが、訓練者にとって魅力的なツールがない。その一因として手技評価方法が十分に確立されておらず、特に手技操作中の手技評価方法は有用なものが少ない上、評価結果をすぐに訓練者にフィードバックできていない。そこで、本研究は、小児疾患モデルを用いて縫合時の鉗子操作を客観的かつ迅速に評価する方法を開発することを目的とする。 鉗子の速度や加速度を計測するために協力企業とともにハプティックデバイスの技術を利用して達成し、評価手法の確立を行う。これまでに鉗子のシャフトの根元に取りつけたセンサからのデータを検出しモニター上に表示する機構を開発した。昨年度より改良を重ね評価実験を行う予定であったが、COVID-19の流行のため滞っている。 また、もう一方の手技評価方法として操作の正確性を迅速に評価するため、訓練者の手技を録画した画像を用いた画像認識の手法で、手技を自動解析評価するシステムを開発する。これまでに協力企業とともに画像解析手法の検討を行ったが、評価として十分ではなかった。そのため、やや方針を転換し、今年度は鉗子の動きを評価したデータから、鉗子動作の良し悪しを判断するための手法の開発を行う事とした。しかし、本年度は学外施設である研究協力者との共同実験を予定していたが、COVID-19流行のため実験を行うことができず、センサやシステムの軽微な修正を行うにとどまった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の流行のため、開発のための部材を入手し難く、試作品を開発するスピードが停滞した。また、関係各者と連携を図ろうにも直接会って試作品を用いての予備的実験を行いながら開発を進めていくことができなくなった。そのため今年度も遅れているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
鉗子先端の速度や加速度、位置を計測するシステムの開発については、実際の医師のニーズにあうよう軽量化、小型化を進める。また、熟練度の異なる医師のデータを集め、どのような評価項目が技術の違いを判別するのに有用か検証する。 画像解析を用いた評価手法に関しては、機械学習による物体検出、鉗子や針の位置情報が取得でき、鉗子の状態を推定していく。サンプルデータを用いてこれらの手法が有用か検証する。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の流行のため、部材の購入が滞ったこと、会議や予備実験、評価実験などに使用予定としていた旅費、会場費などが残ったことなどが理由となる。そのため次年度に使用する予定とした。
|