2019 Fiscal Year Research-status Report
音源を入力とした最適なアニメーションの自動生成手法の開発
Project/Area Number |
18K18173
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
石川 知一 東洋大学, 情報連携学部, 准教授 (30635545)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンピュータグラフィックス / クロスモーダル / 最適化 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,特定の音響効果(以下,SE)を入力した場合に,この入力音源に適した映像(主にCGアニメーションやセルルックアニメーション)を出力するシステムを提案する.自然現象を再現する場合に必要ないくつかのパラメータを入力音源から算出することによって,音から映像への変換を目標とする.映像とSEがあっているかどうかは人間が判断することが多いため,多人数による評価を行う.この映像とSEの効果測定は,近年研究が盛んなバーチャル・リアリティの分野にクロスモーダルとしての知見を与えられることでも貢献する.
今年度はCG分野の研究として,アニメーションの最適化を図る研究に重きを置いた.特にオーロラのビジュアルシミュレーションに対して,キーフレーム間を適切に補間するようなシミュレーションにおける最適なパラメータを求める方法を検討し,査読付き国際会議で発表を行った.この国際会議において研究成果を評価されBest Paper Awardを受賞するに至った.
また,最適化すべきパラメータが未知であるセルルックアニメーションの制作においては,キャラクタの髪のなびくシーンに限定して,アニメーション制作を簡易化するツール(ユーサーインターフェースにより複数のパラメータを収集する目的を含む)の実装を済ませ,国際会議で査読ありのポスター発表を行っている.こちらは多くのユーザーテストを踏まえ,必要なパラメータを絞り込んでから,その最適解を求めるように進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請研究の課題は,対象を限定してでも,「シーン生成のための数理モデルの構築」,「音源からパラメータの決定と人間の感覚の検証」,「作業効率の向上の検証」の3つを行うことである.
今年度は,これらのうち,未知のアニメーションシーンにおいて,ユーザー入力による制作ツールを開発し,必要パラメータを検証するプロセスを経て「数理モデルの構築」を行い,最適化を図ることによる「作業効率の向上の検証」を行っている.
当初の研究計画の順序とは異なるが,課題を解消した割合は計画年数が2/3過ぎたことを鑑みても妥当な進捗だと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
残す課題は音源から動画制作に必要なパラメータを決定することである.そのためには音源の収集が重要となるが,金額的な問題から予定していた機材は購入できていないため,代替案を検討している.音源処理についてもソフトウェアによる解決方法も視野に入れて早急に着手する予定である. 対象となるシーン生成の範囲を広げることも検討する.
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Causes of Carryover |
国際会議の参加が多く見込まれたが,採択通知まで航空券の見積もりが出せず,物品購入の優先度を下げたことが原因として考えられる. この差額は次年度予定している機材の購入に優先的に充てることとする.
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