2019 Fiscal Year Research-status Report
樹木由来ガス状のギ酸と酢酸の放出特性の網羅的解析と放出量の解明
Project/Area Number |
18K18181
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
望月 智貴 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (50781811)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ギ酸 / 酢酸 / 針葉樹 / 広葉樹 / HPLC |
Outline of Annual Research Achievements |
高速液体クロマトグラフのポストカラムBTB法によるギ酸と酢酸を含む低分子有機酸の測定法確立を行った。検出感度を高めるため、ベースラインの安定化とベースラインの低減を試みた。溶離液について、超純水に試薬を溶かすことで有機物によるベースラインの高まりを低減でき、脱気を十分に行うことでベースラインの安定化を達成することができた。樹木から放出されるガス状のギ酸と酢酸の量は微量で分析サンプルは低濃度になるため、サンプルの濃縮を行った。濃縮時、サンプル溶液をアルカリ性に維持したまま行うことで、回収率95%以上を達成でき、低濃度のサンプルでも高速液体クロマトグラフで分析できることを確認した。従来用いられているイオンクロマトグラフは一部夾雑物とのピークの重なりが見られたが、高速液体クロマトグラフを用いることで、ギ酸と酢酸のピークを十分に分離できることを確認した。 日本の主要森林構成樹木と道路緑化樹木のガス状ギ酸と酢酸の放出スクリーニング測定を継続した。7月から12月にかけて、広葉樹のブナ、コナラ、シラカンバ、イロハカエデ、スダジイのギ酸と酢酸の放出速度を毎月1回以上測定した。それらのギ酸放出速度は9月に最大となる変化を示したが、酢酸は明確な放出速度の変化は観測されなかった。ギ酸と酢酸の放出速度の変化は光合成速度の変化と関連しない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の主要樹木から放出されるガス状のギ酸と酢酸の放出スクリーニングならにびそれらの放出特性の解明を行うためのデータを収集できている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、日本の主要樹木から放出されるガス状のギ酸と酢酸の放出特性の解明を行うためのデータを収集し、それらを説明できる放出アルゴリズム式の作成を行っていく。
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Causes of Carryover |
測定装置を製作するにあたり、予定していた価格よりも安く入荷できたため。 研究発表や試料採取のための旅費を抑えたため。 次年度にHPLCの補修・修繕費が発生するため。
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