2019 Fiscal Year Annual Research Report
Search for the Southern Ocean glacial carbon reservoir by the measurement of foraminiferal test density
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18K18187
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
岩崎 晋弥 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 特別研究員(PD) (70751006)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 南大洋 / 炭酸塩堆積物 / 海洋炭素循環 / 最終氷期 / 深層水循環 / 浮遊性有孔虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマイクロフォーカスX線CTスキャナによる浮遊性有孔虫の殻溶解測定を用いて、南大洋における最終氷期以降の深層水炭酸イオン濃度変動を定量的に復元し、大気二酸化炭素濃度の急激な上昇に重要な役割を果たしたと考えられている南大洋(太平洋セクター)における海洋炭素循環メカニズムの解明を目的としている。そのために令和元年度は、前年度に引き続き、南大洋チリ沖における深層水炭酸イオン濃度変動の復元に取り組んだ。具体的な研究内容としては、チリ沿岸域で採取された3本のピストンコア試料(MR16-09_leg.2航海で採取)を利用し、所属研究機関が所有するマイクロフォーカスX線CTスキャナによる浮遊性有孔虫の殻溶解指標の測定を通して、最終氷期極大期以降の深層水炭酸イオン濃度変動を定量的に復元した。その結果、水深2787 mのピストンコアにおいて最終氷期極大期(19,000年前)から最終退氷期(16,000年前)にかけて、炭酸イオン濃度が著しく低下するイベントを発見した。この変動は、大気中への二酸化炭素の放出域である南大洋において、従来の理解よりも複雑な海洋炭素循メカニズムが存在していたことを示唆している。この研究成果を令和元年11月に産業技術総合研究所(茨城県つくば市)で開催された2019年度地球環境史学会において発表した他、その内容をまとめた筆頭論文を近く国際誌に投稿する予定である。また2019年度はマイクロフォーカスX線CTスキャナによる有孔虫殻密度測定の古海洋研究指標としての重要性を示す研究成果として筆頭論文を2本、国際誌(Scientific ReportsおよびGeophysics Geochemistry Geosystems)に掲載するなど、本研究の成果公表に重点をおいて研究活動を行なった。
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Research Products
(3 results)