2018 Fiscal Year Research-status Report
組換え酵素RAD51阻害因子PARIの細胞周期特異的制御機構の解析
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18K18193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
望月 綾子 京都大学, 生命科学研究科, 研究員 (80817148)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞周期 / DNA修復 / DNA複製 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は研究目的として①細胞周期特異的なPARI制御機構と②NHEJによるゲノム安定性維持機構とPARIの関連について明らかにするものである。一年目は主に解析の材料となる細胞を作製することと解析のための条件検討を中心に行った。 細胞周期とPARI集積について詳細に明らかにするために、CRISPR/Cas9システムを用いHCT116細胞のPari遺伝子下流にmCloverをノックインした細胞株を樹立した。またPARIのドメイン構造が機能にどのように影響するのかを調べるためにPARIに含まれるPCNA(複製複合体の足場となるタンパク質)結合ドメイン欠失させmCloverをノックインした細胞株も樹立した。今後この細胞にレーザーを照射しライブセルイメージングを行う。 PARIがG1期のみでDNA損傷部位に集積するために必要な因子、もしくは修飾の探索については、これまでの研究においてすでに樹立し解析に用いて来たPARIノックアウト細胞を用いてPARIの協働因子の探索のスクリーニングを行うこととし、リードアウトの条件検討中である。そしてNHEJによるゲノム安定性維持機構とPARIの関連については、まずPARIの免疫クラススイッチ組換えへの関与という切り口から取り掛かることにし、現在クラススイッチ組換えを起こすマウスリンパ腫CH12に対してゲノム編集を用いてPariノックアウトを行い現在スクリーニング中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請期間は2018年4月1日~2020年3月30日であったが、2018年4月1日~2018年8月31日の期間に出産及び育児のため研究を中断したため、当初の計画よりやや遅れることとなった。しかし中断していない期間においては概ね順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目も当初の予定通り研究を進める。 1年目に得られた細胞を用いて細胞周期インジケーターFUCCI、レーザーによるDNA損傷導入を組み合わせたライブセルイメージングを行う。DNA損傷部位へのPARI集積のための会合因子を同定するため、細胞周期同調した細胞集団からPARIの免疫沈降・マススペクメトリーを行うのと同時にsiRNAライブラリーから既知のDNA損傷応答因子を中心に網羅的探索を行い、会合分子を明らかにする。免疫クラススイッチ組換えにおけるPARIの機能を解明するため、現在スクリーニング中のPariノックアウトCH12細胞を用いてクラススイッチの状況と二重鎖切断導入後のリゼクションについて評価する。
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Causes of Carryover |
2018年4月1日から2018年8月31日まで出産及び育児のため研究を中断したことにより、研究の進捗が当初予定していたよりもやや遅れ、研究室にすでにある材料及び別の財源でまかなう範囲で収まったため、次年度使用額が生じた。次年度は今年度得られた細胞を用いた解析を始めることになるため、高価なものが多い細胞の分化誘導や培養関連の阻害剤、そして抗体や実験試薬が必要になると考えられ、次年度使用額と合わせて使う予定である。
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