2018 Fiscal Year Research-status Report
Development and application of exergy input-output analysis for next-generation energy system
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18K18230
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
稗貫 峻一 横浜国立大学, リスク共生社会創造センター, 特任教員(助教) (20791544)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エネルギーシステム / ライフサイクル分析 / エネルギーの質 / エクセルギー / 産業連関分析 / 電力・熱需給 / 再生可能エネルギー / 水素エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
エネルギーの効率性分析の多くは、エネルギーの「量」を基本としており、エネルギーの「質」を十分に考慮できていない。例えば、電力は、熱需要以外に、動力や照明など多岐に渡り利用することが可能であり、家庭のみならず産業においても重要な「質」の高いエネルギーである。その一方で、家庭や産業部門のエネルギー需要の多くは冷暖房や給湯に必要なエネルギーの「質」が低い熱需要であり、私達はエネルギーの「質」が高い電力を「質」の低い熱に変えて利用している。 こうした背景の下、本研究はエネルギーの「質」に着目し、次世代エネルギーシステムの導入が社会全体のエネルギー効率改善へもたらす影響を定量的に分析するために、産業連関表に対応したエクセルギー消費量データベースを構築することを目的とした。 2018年度はこのエクセルギー消費量データベースの基盤となるエクセルギー概念の整理と情報収集を行った。また、再生可能エネルギーと水素エネルギー技術を中心としたエネルギーシステムに関連する情報を収集した。これらの成果は、第14回日本LCA学会研究発表会にて「産業連関表を用いた水素エネルギーシステムの効率性分析」というタイトルで、水素エネルギー技術を対象として試行した結果を報告した。具体的には、水素エネルギーシステムとガソリンエネルギーシステムのライフサイクルを対象とし、化石燃料から自動車で利用するまでの効率性を比較分析した。この成果の一部は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program: SIP)のエネルギーキャリアの安全性評価研究に貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の研究計画は、産業連関表に対応したエクセルギー概念の構築と、関連する技術情報の収集と整理である。これらの研究成果について、一件の対外的な報告も実施しており、またその過程で得られた分析結果は、他のプロジェクトへも貢献しており、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、構築した概念と収集した情報のデータベース化を行い、再生可能エネルギー技術の電力・熱需給などを対象とした分析を行う計画である。研究成果については、国内学会、国際学会で複数回の報告を予定している。また、研究成果をたのプロジェクトへ応用するために、国内外の研究者と議論する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は、大学のPCなどの設備を利用することができたため、当初予定していたPCの購入などが生じなかった。その一方で、2019年度は、環境変化や研究の進捗に応じた情報収集や分析に必要なハード、ソフト、書籍、データベースの購入を検討している。また、本研究の成果を対外的に発信する機会を多く想定しているため、2018年度の予算と併せて論文投稿と学会参加に必要な費用に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)