2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis on consumption patterns that meet environmental impact mitigation and everyday well-being
Project/Area Number |
18K18232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天沢 逸里 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80804989)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シェアリング・エコノミー / サステイナブルファッション / 衣服 / サービス設計 / サブスクリプション / 消費者行動 / 環境影響評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、環境負荷削減と生活の豊かさを同時に達成する消費パターンを明らかにすることである。2022年度は、シェアリング導入による環境負荷と生活の豊かさの総合評価と実証に重点を当て、[1]衣服シェアリングサービスを用いた被験者実験と分析、[2]電気自動車(EV)用バッテリースワッピングサービスの環境影響と経済性評価に取り組んだ。いずれのケースにおいても、環境負荷を削減しうる条件を明らかにすることができたが、生活の豊かさは質的な議論に限定された。 [1]衣服シェアリングサービス(衣服シェアリング)を利用することによる消費者行動と意識の変化を計測し、環境負荷削減効果と生活の豊かさを実証するため、被験者実験を実施した。衣服シェアリングを利用したことのない女性を22名集め、3ヶ月衣服シェアリングの利用機会を提供した。実験から収集したデータから、服の購入枚数と服1着あたりの着用回数を質的データと照らし合わせて分析した。結果から、衣服シェアリングによる服の購入枚数の削減は限定的だったが、質的データから長期的には減る傾向が見られた。また、昨年度のアンケート結果と本実験データの着用回数を比較したところ、一部の服で所有から衣服シェアリングへ着用回数が増えた。さらに、衣服シェアリングは自分の好みをより理解するといった豊かさへの効果が見られた。 [2]環境負荷低減と利便性の向上が見込めるシェアリングサービスとして、EV向けバッテリースワッピングサービス(BSS)の環境影響と経済性を分析した。BSSの特徴から複数のシナリオを作成し、環境影響とコストをガソリン車や従来EVと比較評価した。結果、LIBのリサイクル、リユースによるバッテリー資源循環と小容量のNMCバッテリーを選択することが環境負荷低減に効果的であることが分かった。コストの観点からも利用者に利点があることが示された。
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