2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Roadmap Design Support System to Plan Policies and Strategies for SDGs
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18K18233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 裕介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (60617158)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ロードマップ / バックキャスティング / シナリオ / 持続可能な開発目標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Sustainable Development Goals (SDGs)を対象とした中長期的な戦略・政策の立案支援に向けて、効果的なロードマップの作成方法を検討するものである。そこには以下3つの要件がある。すなわち、(i) SDGsに向けてメインアクター(企業、自治体など)が実現すべきビジョンを記述すること、(ii)ロードマップに記述した戦略・政策がビジョンに対して及ぼす効果・影響を評価すること、(iii)戦略・政策の策定プロセスを可視化し、その妥当性を事後検証できるようにすること、である。本研究では、(i)~(iii)の要件を満たしたロードマップ設計支援システムを開発することを目的とする。この目的を達成するため、本研究では、(A)事例の収集・分析、(B)ロードマップ設計支援システムの開発、(C)ケーススタディの実施、という3つの研究課題を設定した。 2018年度は、ケンブリッジ大学の研究者との連携のもと、文献調査と専門家インタビューによる事例収集、ならびに、バックキャスティングの考え方を用いたロードマップ設計手法の試作を実施した。さらに、試作した手法を用いたケーススタディとして、日本機械学会技術ロードマップ委員会との協働により、2050年持続可能なものづくりに向けたロードマップを作成した。このケーススタディの結果に基づき、今後の研究課題を明確化することができた。なお、本研究の成果を国際会議Scenario Planning and Foresight 2018にて発表し、手法の改良に向けて有益なフィードバックを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集、手法開発、ケーススタディの実施について、一通りのサイクルを回すことができた。ケーススタディ結果の分析に基づいて、今後の手法開発に向けた研究課題とシステム開発要件を明確化することができたという点で、ほぼ当初の計画どおりに研究は進捗している。また、国際会議Scenario Planning and Foresight 2018等での発表を通して関連分野の研究者とネットワークを構築することができた。これにより、今後の手法開発をさらに加速させる効果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり、バックキャスティングを用いたロードマップ設計支援手法の改良を進めるとともに、支援システムの開発に取り組む。このとき、2018年度に構築した関連分野の研究者ネットワークを最大限活用し、積極的に情報交換を行う。また、ケーススタディとしてワークショップを数回程度実施する計画である。
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Causes of Carryover |
ケンブリッジ大学を訪問として研究協力者と研究打ち合わせを実施する予定であったが、ウェブ会議を活用したことと共同研究者が来日して打合せを実施できたことにより、今年度の海外出張旅費執行額が当初予定よりも低くなった。これについては、国際共同研究をさらに加速させるため、2019年度の出張旅費として活用する計画である。また、システム開発用計算機の購入費用として計上した予算は、研究進捗の実態にあわせて2019年度に執行する計画とした。
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Research Products
(7 results)