2018 Fiscal Year Research-status Report
熱帯林ガバナンスにおけるエリートキャプチャーの類型化および緩和方策の検討
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18K18235
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大田 真彦 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (80752279)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 事例研究メタ分析 / NGOの影響 / コミュニティ林業の長期分析 / 公平性・公正性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、熱帯林ガバナンスにおいて、いかなる制度設計や政策実施によって、エリートキャプチャーを防止ないし緩和することが可能かを探求することを目的としている。平成30年度は、エリートキャプチャーの事例研究のメタ分析の作業を進めるとともに、インドネシアのジャワ島において2件の現地調査を行った。 既往文献を整理し、事例研究のメタ分析に関する方法論について検討している。並行して、Scopusを用い、いくつかのキーワードの組み合わせにより、該当文献を選択し、分析対象リストの作成作業を行っている。順次、文献を読み込み、分析を行っている。 ジャワ島の林業公社管区で2017年より実施されはじめた社会林業スキーム(P.39 2017)について調査を実施した。本スキームは、林野行政主導型の共同森林管理から、より地域住民主導型の林業への移行と捉えることができる。本スキームの導入には、NGOが重要な役割を果たしていることが確認された。他方、既存の地域レベルの様々な現実の中で、本スキームが、エリートキャプチャー的な状況を回避できるかどうかは、今後の展開を注視する必要があると示唆された。 研究代表者が2009年にジョグジャカルタ州で実施したコミュニティ林業のサイトを再訪問したところ、植栽されたチークが、ほぼ順調に生育していることが確認された。2019-2020年にかけて伐採し、各参加世帯に収益を分配する予定とのことであった。この作業が行われた後に、再度現地調査を行い、コミュニティ林業の影響を長期的視点で分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、予定していた事例研究のメタ分析および現地調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、事例研究メタ分析を実施し、年度内に、途中経過について学会発表を行う予定である。また、引き続きインドネシアでの調査を実施する。
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Causes of Carryover |
事例研究メタ分析用の有料文献の購入を今年度は実施しなかったこと、および人件費を使用しなかったことが大きな原因である。次年度以降、適宜使用する予定である。
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