2021 Fiscal Year Research-status Report
ソ連解体後ウズベキスタンのバザールにおける商実践の特徴と変容:家畜売買の事例から
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18K18242
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宗野 ふもと 筑波大学, 人文社会系, 特任研究員 (30780522)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中央アジア / ウズベキスタン / ソ連 / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度もコロナウィルス拡大防止による渡航制限が続いたため、ウズベキスタンでのフィールドワークができなかった。そのため、これまで収集してきた資料を基に、①ソ連時代の女性向け雑誌に関する資料紹介論文を論集に寄稿し、②ソ連時代からソ連解体後にかけての手工芸生産の変遷に関する論文を英文誌に投稿した。 ①に関して、ソ連解体後にバザールへ参入する女性が急増した背景を明らかにするために、ソ連時代にウズベキスタンで刊行された女性向け雑誌『サオダト(Saodat)』(1972-1974刊行分)の記事目録の作成及び分析を行い、ソ連時代の「女性は家庭の外で仕事をするべき」というイデオロギーがいかにメディアで宣伝されていたかに関する研究を行った。成果として、記事目録と解説を付した資料紹介論文を、中央ユーラシアの家族と規範に関する論集(2022年度中刊行予定)に寄稿した。日本国内における1970年代のウズベキスタン女性に関する研究は現時点では少ない。本資料紹介論文は、ソ連期ウズベキスタンの女性研究を今後発展させるための基礎的研究という位置づけである。 ②に関して、ウズベキスタン南部シャフリサブズ市において、手工芸生産に携わる女性たちを対象とした聞き取り調査で得られた情報に基づき、ソ連解体後の市場経済化における女性の労働実態を明らかにし、女性たちの労働環境に対するノスタルジアの源泉を考察した論文を執筆し投稿した。現在は査読コメントに基づき、再投稿に向けて修正をしている。②は、ソ連解体後の人々の経済活動を女性の手工芸生産の事例から明らかにすることを目指しており、ソ連解体後の人々のローカルな経済活動を明らかにするという本研究課題にもかなうものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウズベキスタンでフィールドワークができず、乳製品売買に関わる女性たちへの聞き取り調査や商売に関する参与観察ができなかったためである。しかし、資料紹介論文と英語論文を執筆する中で、ソ連時代の女性の労働イデオロギー及びソ連解体後の女性の労働実態の情報を整理し考察を深められたことは、ソ連解体後の女性のバザールにおける商実践を分析する上で役立つはずである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、ウズベキスタンに渡航し、バザールにおける乳製品売買に関するフィールドワークを行う予定である。ソ連時代の女性向け雑誌の分析も継続して行い、ソ連時代の乳製品生産や売買に女性がいかに関わっていたのかを明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスによる渡航制限により、予定していたウズベキスタンでのフィールドワーク(三回)ができなかったためである。次年度は、フィールドワークのための旅費及び資料代として使用する予定である。
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