2019 Fiscal Year Research-status Report
カナダ大西洋沿岸地域における移民政策ガバナンスに関する研究
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18K18243
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
古地 順一郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90734038)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 移民政策 / カナダ / 多様性 / まちづくり |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度に引き続き1次資料及び2次資料の収集・分析を続けるとともに,第1回目の聞き取り調査を現地で行った。また,本研究のテーマと密接に関係する多様性を生かした地域づくりに関する講演を行った。詳細は以下の通り。 1 大西洋沿岸地域4州(ノバスコシア州,プリンス・エドワード島州,ニューブランズウィック州,ニューファンドランド・ラブラドール州)の移民受入・定住促進政策に関わる1次資料(政府文書など)と2次資料(先行研究など)の収集・分析を引き続き行った。 2 2020年2月に,プリンス・エドワード島州およびニューファンドランド・ラブラドール州を訪れ,資料の分析の中で得られた主要な組織・団体に対する聞き取り調査を行った。当初の研究計画では,聞き取り調査の前にアンケート調査を送付する形で,移民政策分野に関わっているアクターとその役割を抽出する予定であったが,事前に行った情報収集の結果,今回の研究対象地域が小規模なコミュニティを対象としていることから,まずはアクターとの信頼醸成が重要という知見が得られた。そのため,対面型の聞き取り調査を行うことで,信頼醸成のきっかけを作るとともに,文献資料では得ることのできない情報を得ることができた。 3 情報収集の中で得られた情報を基に,多様性を生かした地域づくりに関する講演およびセミナーを社会福祉およびまちづくりの分野で活動する市民に対して計5回実施することで,研究成果の一部を地域に還元することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度前期の担当授業の数が多かったこともあり,予定通りのエフォートを割くことが難しかったため。また,当初の予定では,聞き取り調査の前にアンケート調査を行う予定であったが,情報収集を進めるにつれて,アンケート調査によるアクターへのアプローチは難しいと考え,聞き取り調査による情報収集に切り替えた。この変更に伴う作業により遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度も引き続き文献資料による情報収集と2度の聞き取り調査を行う予定である。ただし,聞き取り調査については,新型コロナウイルス 感染症の拡大により,現地での聞き取り調査が難しくなる可能性が高い。オンラインによる聞き取り調査などを考えていく予定である。また,大西洋沿岸地域4州の移民政策に関する報告を国内で行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度前期の担当授業数が多かったことや,情報収集の方法をアンケート調査から聞き取り調査に変更したことに伴い作業の遅れが生じ,使用額が計画よりも少なくなった。今年度は,現地での聞き取り調査を2回行いたいと考えているが,新型コロナウイルス感染の状況次第では予定通りの遂行が難しいと考えている。
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