2018 Fiscal Year Research-status Report
心臓リハビリテーションの質の担保にかかわる地域包括システムの開拓
Project/Area Number |
18K18244
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
利 緑 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (50436185)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 心臓リハビリテーション / 講習会 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓リハビリテーション(以下、心リハ)は、長期的で包括的なプログラムであり、その効果は心機能の向上のみならず、死亡率・再入院率の軽減、QOLの向上も報告されている。しかし、心リハは病院を中心に発展・普及してきた背景があり、維持期の心リハは未開拓である。そこで、心リハ継続のための地域包括システムを構築することが必要と考えた。 高齢化率がトップレベルの本県において、高齢者に多い心疾患患者の増加に対応するためには、心リハの普及が重要な課題である。そのため、日本心臓リハビリテーション指導士である医師、理学療法士、看護師を中心に心臓リハビリテーション推進協議会を立ち上げ、心リハの普及・啓発活動を開始することとした。 心臓リハビリテーション推進協議会は、心リハに携わっている医療従事者を構成員とし、県内で初めてとなる心リハ講習会開催に向けて検討を重ね、平成31年2月に講習会を開催した。隣県からも問い合わせがあったが、降り続く雪の影響もあり、県内の作業療法士・薬剤師を含む33名が受講した。講義は、日本心臓リハビリテーション指導士講習会を参考に、総論、病態・生理、診断・治療、役割と実際とし、アットホームな関係構築のための交流時間も設けた。 受講後のアンケートでは、32名から回答が得られた。日本心臓リハビリテーション指導士の資格を取得している人が1名、資格を取得したい人が15名であり、全員が「もっと心リハを学びたい」と回答した。また、習得した知識を基に心リハを普及・啓発していきたいと回答した人は23名であった。 講義に対して「心エコーや画像診断について、さらに詳しく見てみたい」「事例を提示していて、分かりやすかった」などの意見があり、受講者の満足度も高かったと評価する。「退院後の地域での療養支援について、もっと学びたい」との意見もあり、地域でコアとなる人材育成にも繋がることが期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
協議会という組織を立ち上げるまでに時間を費やしてしまい、心臓リハビリテーション講習会開催まで1年かかってしまった。協議会は立ち上げることができたので、今後は継続して講習会を開催できるよう準備を進めていく予定である。 また、心リハを必要としている患者のニーズ把握、県内の医療従事者の心リハに対する認識及び実施状況についての調査が実施できていないことが遅れていると判断した理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度も心臓リハビリテーション講習会を継続して開催できるよう準備を進める。今年度の講習会は、講義のみに留まらず、実践に繋がるような内容も検討する予定である。 また、心リハを必要としている患者のニーズ把握調査、県内の医療従事者の認識及び実施状況についての調査についても、順に実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
協議会立ち上げが予定より大幅に遅れ、その影響で講習会開催が年度末となってしまった。また予定していた調査も進めることが出来なかったため、調査に係る費用や学会発表旅費については、今年度使用する予定である。
|