2018 Fiscal Year Research-status Report
The Transformation of the Religious Consciousness Under the British Mandate in Palestine: Comparison between the Pan-Islamist Discourses and the Popular Folklore.
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18K18246
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
金城 美幸 立命館大学, 総合心理学部, 非常勤講師 (80632215)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パレスチナ / ナクバ / 難民 / オーラルヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実施にあたり、破壊されたパレスチナ村落についてのオーラルヒストリーの集積と分析を進めている。具体的な対象としているのは、エルサレム地域のリフター村のオーラルヒストリーである。 現段階までに、パレスチナ人研究者の手によるリフター村についてのオーラルヒストリーの日本語訳を終えた。こちらの翻訳については、2019年度中に学会誌等で発表予定である。また、現在はこのオーラルヒストリーがパレスチナ難民のコミュニティのなかでどのように共有・継承されているのかを分析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パレスチナ難民のオーラルヒストリーの分析については順調に進んでいるものの、エルサレム地域のムスリム・エリート層の言説分析については若干の遅れがあることは否めない。これについては、双方ともアラビア語でありつつも、前者は口語アラビア語が多用された形式のテキストであり、その解読に予定以上の時間を費やしていることが理由である。作業ペースの配分を見直しつつ、引き続き文献研究を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの2年度は、現地調査も併せて研究の進展を目指していく。パレスチナ/イスラエルを訪問し、エルサレム地域出身のパレスチナ難民のコミュニティを調査して、故郷喪失の経験がいかに継承され、共有されているかを調査するとともに、研究対象であるイギリスの支配期(1920~48年)の宗教行政、およびムスリム・エリートの台頭過程についても文献収集を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度は、現地調査を予定していたコミュニティ周辺での情勢悪化および研究協力者の事情により、現地調査と研究協力の依頼を行うことができなかった。昨年度予定していた調査は、今年度および来年度に予定している現地調査のなかで補う予定である。
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