2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the Macroeconomy and Transition of Industry in the Resource-dependent-economies
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18K18248
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中瀬 一恵 (出町一恵) 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20709753)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 債務 / 金融制度 / サービス部門 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,天然資源に経済を依存するアフリカ諸国において製造業や農業の発展を阻害する要因について考察し,天然資源輸出との関連性や近年の国際金融市場におけるアフリカ諸国政府の行動や各国の金融サービス部門の発展など,近年起きている新たな変化の影響を分析することを目的としている。 当初計画されていた本研究の期間は2018年から2020年までであったが,新型コロナウィルスの蔓延により2020年度は予定通りの調査ができず,研究期間の1年間の延長を申請し認められていた。2021年(R3年)度は金融セクター,特に小規模な金融サービスについての調査・分析を進め,論文にまとめることを予定していた。しかし,感染症拡大による渡航中止や,アフリカ諸国のマクロ経済状況・対外債務状況が大きく変化したことなどにより,想定していた研究を進めることができなかった。 そのため予定を若干軌道修正し,アフリカの対外債務の詳細データの収集を行い,近年の変化や問題点について考察を行った。その一部分については,"The African Sovereign Debt: Financial Dominance over Development"としてまとめ,自身が所属する東京外国語大学の現代アフリカ地域研究センターの国際シンポジウム(11月6日)で報告するとともに,Working Paper として発表した。 研究期間全体を通じ,当初の研究の目的であったアフリカにおける製造業や農業発展の阻害要因については,金融システムと産業の問題をその一つと見定めて研究を進めてきた。ガーナでのクレジット・ユニオンなどの調査からはローカルでの経済活動と金融システムの間の連関が断絶していること,国内制度の問題などが見えてきたが,当初の研究実施計画から変更を余儀なくされた部分も多く,課題の残る結果となった。
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