2022 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study on the Management, Production, and Distribution of Tropical Sea Products: A Case Study of Moken Fishermen
Project/Area Number |
18K18258
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
鈴木 佑記 国士舘大学, 政経学部, 准教授 (60732782)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 南海産品 / 漁民 / モーケン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、南海産品と呼ばれる、中国と世界の華人市場を最終目的地とする海産物(特にナマコ)に焦点をあて、それを採捕して生活するタイとミャンマーに暮らす漁民モーケンによる生産(採捕・加工・保存)と販売が、他の漁民との競合関係と国家による管理の中でどのように行われてきたのかを明らかにした。具体的には、タイの領海における外国漁船による過剰な生産活動によって近年ナマコの個体数が急激に減少しており(ハートヤイにあるソンクラーナカリン大学理学部生物学科の研究チームによるとスリン諸島周辺ではこの20から30年間で個体数が半減したという)、モーケンによるナマコ漁が不活発になっていること、そしてタイ政府がナマコを新たな経済的利益を国家にもたらすものとして2020年頃から特定種のナマコを養殖する研究を推進しており(漁業局は白ナマコを精力剤として用いる中国、シンガポールを輸出国として想定している)、パンガー県では2023年2月から県知事の指導のもとその管理のあり方が議論されるようになっている点を明らかにした。モーケンに関する記録で、現在確認できる最古のものが約200年前に残されており、その頃から彼らはナマコを生産してきたことがわかっている。つまり、200年間続いたモーケンによるナマコの生産活動が近年終わりを告げようとしている。その一方で、モーケンが新たに着目している商品がハタであり、ナマコに代わる南海産品として生産活動が活発になってきていることも明らかになった。
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Research Products
(4 results)