2021 Fiscal Year Annual Research Report
Database formation and spatial analysis to elucidate tourism resources in rural area of Taiwan
Project/Area Number |
18K18274
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
黄 エンケイ 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (40750526)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グリーンツーリズム / 地域資源 / データベース / 立地分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの台湾のGTに関する研究は,特定の事例に限定したものがほとんどであった。それら特定事例で台湾全体のGTに把握することができないことが,問題点として残されている。しかし,台湾には4千以上の農山漁村集落1)があり,すべての集落でフィールド調査を行うことは現実的に不可能である。そこで,本研究では,集落ごとに作成された農村再生事業計画書を調査し,またGTに関する地理情報を活用することで,台湾全国のGTの発展状況を把握するすることを試みた。台湾では農村の活性化を目的として,農村再生事業を2010年から10年間にわたって実施してきた。本研究では832集落の農村再生事業計画書を解析することによって,台湾におけるグリーンツーリズムの実態を解明した。 その結果,観光関連事業では住民観光ガイドや、農業体験とエコツアーなどソフト事業の整備が重要視されていることが明らかになった。また,地理情報分析との重ね合わせを行い,発展ポテンシャルの高い集落を抽出した。この結果から,民泊の分布に影響を与える要因として,原住民文化圏,観光指定区域と観光関連施設の整備状況の3点を指摘した。また,地理情報と合わせることで,発展ポテンシャルがありながらまだ十分に開発されていない集落を特定した。さらに,GT発展の指標の一つである民泊数に,影響を与える要因も抽出した。原住民文化圏と観光指定区域の要因以外に,観光関連施設の整備状況も重要な要因であることを示した。 他にケーススタディについて、台湾北部の重要な観光資源として、マングローブの調査を行い、生態系サービスの評価を行った。調整サービスに関する内容を英文書籍として出版手続きを行っている最中であり、2022年度には公開される。なお、供給サービスとレクリエーションに関する分析と評価の結果は現在進行中で、完了したら調整サービスの結果と合わせ、論文の投稿に努める。
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