2018 Fiscal Year Research-status Report
The study of sacred image and management on religious sacred site.
Project/Area Number |
18K18278
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
花村 周寛 大阪府立大学, 経済学研究科, 准教授 (00420430)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 宗教的聖地 / デザイン / 文化芸術 / 観光 / マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は基本的には資料収集を中心に進めた。宗教領域の書籍だけでなく、文化芸術領域、自然科学領域、経済領域の書籍など幅広く収集し、多角的に分析を加える基礎的資料とした。 また調査に関しては 7月に、観光関係では以前より調査に入っていた新潟県の「水と土の芸術祭」及び「越後妻有大地の芸術祭」の実施内容に関して把握し、神社などにおける芸術作品の設置と観光状況を把握した。宗教的聖地については静岡県の富士山本宮浅間大社、山宮浅間神社、北口本宮浅間神社、河口浅間神社など世界遺産として登録された富士山山麓の聖地、また山形県の湯殿山神社、月山神社、羽黒山など、羽黒修験の聖地であり日本遺産として登録されている出羽三山の現状の観光状況など現地で確認した。 学会発表に関しては、6月に鹿児島県で行われた人工知能学会の仕掛学研究会への参加、および9月に韓国ソウルで行われた「文化コンテンツと人文学の調和を通した産学協力の活性化国際カンファレンス」にて、研究発表を行った。また11月には千葉市美術館にて宗教学者の鎌田東二氏との対談を行い、宗教的聖地の状況のみならず幅広く世界の文化状況などについて意見交換を行った。 論文投稿に関しては、これまでの研究内容も含め、イギリスのRoutledge社から出版される学術図書「POSTDISCIPLINARY KNOWLEDGE」に英語論文として”Transcape theory for invisible scape”を投稿した。2019年に出版予定である。また鎌田東二氏との対談についても書籍として出版を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は資料収集を中心に行ったが、海外の学術誌に論文投稿できる機会があったため、その翻訳のため予算が途中で不足し、まだ十分に資料収集できていない状況にある。予備調査およびテストケースとして山形の調査を行なったが、観光状況との関係で時期に左右される調査項目と、左右されない調査項目があり、また効率よく訪問できる調査ルートの計画が不十分であった。調査項目も多岐にわたり、場合によっては測量などの専門的知識が必要になるため、そうした人材の確保も必要であった。 一方で海外の国際研究集会での発表と国際的な学術研究出版社での研究発表の機会を得たことは大きく進捗したと言える。また研究会および専門家との対談において大きな知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、文献資料の収集にあたる。宗教的聖地関係、特にその空間構造に関する建築的、造園的、都市計画的な資料を収集すると同時に、その背後にある経緯や形象の意味および象徴性を読み解くための、図像学や芸術学、また形態に関わる自然科学領域などの関連領域からも幅広く資料を収集する必要がある。 また特に物理構造や空間形態の把握のために、文献資料だけでなくビジュアルおよび三次元的な把握を行う必要があるため、GISやグラフィックスに関するアプリケーションソフトおよび3Dプリンターなどの空間イメージング機器の購入を検討する。 加えて異なる文化圏との比較のため、海外の資料についても収集する必要がある。文献収集だけでなく、本年度は現地調査も交えながら観光化の中で急速に変化していく宗教的聖地や文化遺産などの状況を把握する必要がある。調査に関しては項目の整理の段階から、サポートしてもらえる研究員と連携しながら効率よく進めていけるように検討する。
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Research Products
(2 results)