2018 Fiscal Year Research-status Report
Problematic Behavior of Tourists in Less Developed Countries
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18K18279
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Research Institution | Nara Prefectual University |
Principal Investigator |
薬師寺 浩之 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (70647396)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 観光者行動 / 観光倫理 / 持続可能な観光 / 開発途上国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、開発途上国の観光地における観光者の問題視される行動について多角的に考察する。具体的には、開発途上国における観光者の問題視される行動に関する実践的かつ実証的な考察(①観光者の問題視される行動の内容の考察、②観光者の問題視される行動に対する観光地側の各利害関係者の認識と解釈に関する考察、③観光者の問題視される行動が引き起こされる要因に関する考察、④観光者の問題視される行動がもたらす持続可能な観光への阻害に関する考察)を行った後、実践的・実証的な考察の結果得られた知見をもとに、観光者に関わる観光倫理の抽象的概念の形成を試みる。この研究は、開発途上国における観光地の持続可能性に必要不可欠なアクターでありながらも、その「お客様」としての性格が理由で議論が行われてこなかった観光者に焦点を当てることで、今後の持続可能な観光の在り方に一石を投じる。さらに、観光倫理研究における観光者に関わる抽象的な解釈方法を深化させる。 本研究の一年目である2018年度は、上記に挙げた考察の前段階として、本研究のキーワードとなる分野の既存文献の整理を中心に行った。キーワードとなる分野とは、①観光者行動(特に、異文化世界を旅行する観光者の旅行動機・行動・経験)、②開発途上国の観光、③持続可能な観光、④観光者が観光地にもたらす様々な影響、⑤観光倫理研究と観光倫理教育、の5分野である。特に⑤観光倫理研究や教育に関しては、持続可能な観光へのアプローチの為にその重要性が認識されているにもかかわらず、学術的研究は遅れている。この点を踏まえて、観光倫理研究と観光倫理教育の現状と今後の方向性を論じた論文を執筆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を進展させていくうえで重要な既存文献の収集・閲読と要点の整理はおおよそできたと考えている。さらに、本研究の重要なキーワードであり、学術的に研究が遅れている観光倫理に関する要点整理は、論文にして発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、【研究実績の概要】で挙げた開発途上国の観光地における観光者の問題視される行動に関わる4点の考察(①観光者の問題視される行動の内容の考察、②観光者の問題視される行動に対する観光地側の各利害関係者の認識と解釈に関する考察、③観光者の問題視される行動が引き起こされる要因に関する考察、④観光者の問題視される行動がもたらす持続可能な観光への阻害に関する考察)を行う。ニュース記事・各種報告書などの文献資料から考察すると共に、開発途上国(東南アジア地域)の観光地における現地視察と関係者へのインタビューからも考察を試みる。
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Causes of Carryover |
2018年8月、東南アジアの観光に関する研究会(於:東京)に参加する予定であったが、台風の影響で中止になった。東京出張分の旅費(36,782円)が余った。2019年5月に東京で行われたオーバーツーリズムに関する研究会参加の旅費に使われる。
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Research Products
(3 results)