2022 Fiscal Year Annual Research Report
Problematic Behavior of Tourists in Less Developed Countries
Project/Area Number |
18K18279
|
Research Institution | Nara Prefectual University |
Principal Investigator |
薬師寺 浩之 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (70647396)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 観光者行動 / 観光倫理 / 持続可能な観光 / 開発途上国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度である2022年度は、2021年度末(令和4年(2022年)2月)観光学術学会研究集会(テーマ:観光とエシックス―様々な探究の可能性)において口頭発表をしたトピックについて、同学会の学術誌である『観光学評論』に論文を投稿した(論文タイトル「観光者の問題行動を読み解く」)。この論文の目的は、メディア等で批判されているにもかかわらず、学術的理解が遅れている観光者の問題行動について多角的に考察することである。 論文の内容は以下の通りである:①問題行動の概念と、観光者の問題行動に関わる倫理的側面の考察,②Hodgkinsonの価値パラダイムや Kohlbergの道徳発達理論を用いた、人間の問題行動の理論的枠組みに関する考察,③先行研究を踏まえた、観光者が引き起こす問題行動の内容に関する紹介,④観光者による問題行動の背景、つまり観光者が問題行動を引き起こす要因に関する考察。 持続可能な社会構築が求められる今日において、観光者の責任ある行動は以前にも増して求められている。観光者を受け入れる観光事業者や観光行政機関などは、観光者の問題行動に対処することが求められている。本研究で考察した観光者の問題行動に関する理解が、今後の持続可能な観光地運営に対して有益であると考える。 本研究課題は、新型コロナウイルス感染症パンデミックに伴い、フィールドワークを基にした実証的な研究を十分に行うことができず、関連学術分野の先行研究を踏まえた理論的な研究が中心になった。今後の観光者の問題行動に関わる研究は、課題番号22K12591「観光者の旅行行動や経験に関するネットノグラフィー調査を用いた研究」(基盤研究C/研究代表者:薬師寺浩之)において、旅行コミュニティサイトにおける観光者の語りに反映された、非倫理的な旅行行動や経験の本質に関するネットノグラフィー調査を用いた研究で継続する。
|
Research Products
(1 results)