2019 Fiscal Year Research-status Report
知的・発達障害をもつ若年層のDV予防教育プログラム開発
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18K18294
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
須賀 朋子 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (50743085)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DV / 愛着 / 知的・発達障害 / 高校生 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽度の知的・発達障害の生徒が通学している高等支援学校(障害者手帳を持っているか中学校まで通級指導学級等に通学した生徒)で、DV予防について、2回の介入授業を行った。1回目は33名に対して2018年7月に「DVとは何か}、2回目は30名に対して2019年7月に「愛着と虐待」についての介入授業を行った。72.7%が「デートDVについて知って良かった」と回答し、48.4%が「授業後、デートDVが自分に関係のあることだと思った」と回答した。授業後の調査で「交際相手と意見が合わないときどうしますか」という問いに、5.7%は「自分の意見に従わせる」、57.1%は「話し合いで決める」、20%は「自分の意見を言うが相手に合わせる」、17.1%が「相手に合わせる」と回答した。また「交際相手に腹がたったときどうしますか」という問いには、2.9%は「非難する」、14.7%は「無視する」、55.9%は「我慢する」、26.5%は「自分の気持ちを言葉で伝える」と回答した。「暴力をふるったときどうしますか?」という問いには、66.7%が「謝る」、9.1%が「謝らない」、24.2%が「交際をやめる」と回答をした。「暴力を振るわれたとき、どうしますか」の問いには、38.2%が「やめてという」、17.6%が「やり返す」、26.5%が「がまんする」、17.6%が「逃げる」と回答した。これらの結果から、知的・発達に軽度の遅れがある高校生の2割前後に、暴力の認識を伝えきることができなかったと思われる。 2回目の授業は、愛着の話から暴力へとつなげていった。「愛着が暴力と関係することがわかりましたか」という問いには100%の生徒が「わかった」と回答した。軽度の知的・発達に障害がある生徒は、DVという言葉への理解は難しく、暴力に置き換えれば、理解しやすいことが考えられた。これらの結果を学会発表(研究成果欄参照)で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書の通りに、高等支援学校での介入研究を実施することができ、生徒からアンケート結果を得ることができた。2018年7月に1回目、2019年7月に2回目の介入授業を実施させていただけたのは運がよかった。2019年7月に行った内容を、札幌の出版社で、ハンドブックの形で公表することができた(研究成果欄参照)。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年7月、2019年7月に介入授業を行わせていただいた、高等支援学校で2020年7月に3回目のDV予防の介入授業を行わせていただける約束ができた。コロナウイルス問題で、大変な状況の時世のなかでも研究協力をしてくださることは貴重である。だから、3回目の介入授業に向けて、現在、教材を作製している。3年間にわたって行った介入授業の結果を、学会発表と論文形式で公表していく。
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Causes of Carryover |
学会発表と英語論文執筆に使用。
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