2018 Fiscal Year Research-status Report
X-ray dynamic vector radiography using spiral-grating-based Talbot interferometer
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18K18302
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
呉 彦霖 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10750804)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ベクトルラジオグラフィー / 散乱 / 時間分解能 |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究の目的] X線Talbot干渉計を用いたX線位相イメージングでは、白色シンクロトロン放射光と組み合わせ可能であるという他にはない特徴がある。これにより、ミリ秒時間分解能での動的位相イメージング撮影、及び秒オーダーの時間分解能での4D位相トモグラフィー撮影が可能であることを示してきた。さらには、X線ベクトルラジオグラフィー(XVR)法を併用することにより、試料からの散乱ベクトル情報をサブミリ秒の時間分解能で動的撮影ができる。螺旋型透過回折格子で構築されるX線Talbot干渉計は螺旋型透過回折格子を面内回転することにより取得した複数枚の投影像から全方向に対する散乱情報を取得することでき、高速XVR撮影が可能になる。そこで、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、ゴムなどの有機材料・複合材料の外力による劣化、特にボイドや亀裂の発生・伝播可視化技術として応用開発を図る。 H30年度には深掘りRIE技術を用いてシリコン基板上で、ピッチ10ミクロンの螺旋型回折格子を製作した。一方、今まで使用された矩形型回折格子を用いてTalbot干渉計をPF-BL14Cにおいて構築し、白色放射光を用いたXVR原理実証実験を行った。螺旋型回折格子を用いたXVR撮影と異なり、矩形型回折格子を利用する場合、試料を面内回転する供に、回折格子を並進するする必要がある。テスト実験では爪楊枝をテスト試料として、5rpsで面内回転させ、XVR撮影を行った。1秒の時間分解能で、爪楊枝の繊維構造の配向性を高速で可視化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H30年度には深掘りRIE技術を用いてシリコン基板上で、ピッチ10ミクロンの螺旋型回折格子を製作した。金メッキに対する経験のないことであり、深掘りRIE技術で格子モールド上に金メッキするのに、やや予想よりも時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度には単色シンクロトロン放射光(KEK-PFにてG課題)でH30年度に製作した螺旋型透過回折格子を用いて、Talbot干渉計を構築し、動作させる。高空間分解能検出器により、螺旋型X線位相回折格子の自己像を直接解像することで、吸収格子ない状態で位相計測を行う。また、螺旋型吸収回折格子を挿入させモアレ縞を観測し、縞走査法による位相計測を行う。なお、CFRPやGFRP、ゴム試料を用いて試料各面内角度に対する散乱情報取得するデモンストレーション実験を行う。 アルキメデスの螺旋の数をm倍増えることにより、回転させ縞走査する時間をm倍短縮することができる。多重アルキメデスの螺旋を持つ螺旋型透過型回折格子を製作する。多重アルキメデスの螺旋型回折格子を用いて単色シンクロトロン放射光においてTalbot干渉計の検証実験を行う。
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Causes of Carryover |
高速回転ステージ(KOHZU-RA16A-WH改造)を購入する予定であったが、他の設備で使用された回転ステージを流用し、高速化に改造し、原理検証実験を行い、当初購入する予定である高速回転ステージの最低限の仕様に達成できたことが確認された。 位相回復を行うため、回折格子を上記の回転ステージを用いて試料に対して相対的面内回転をさせ、複数画像からXVR情報を取得する。一方、試料を回折格子から生成されたモアレマップ内で試料向きを保つまま回転させることでも、XVR測定が可能となる。試料の向きを変えず面内回転するステージを一般の回転ステージ(KOHZU-RA16A-WH01)を購入して、改造させる。
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