2019 Fiscal Year Research-status Report
植物工場技術を活用し子どもを中心として地域交流を生み出す体験プログラムの開発
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18K18312
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今泉 博子 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (20746656)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 植物工場 / 被災地復興 / 子ども / 地域振興 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、対象地である宮城県名取市閖上地区に新設された閖上小中学校にて、植物と子どもたちを中心としてコミュニティをつなぐため、研究活動を行った。地域学習の時間を活用し、地域の特色ある植物・それに関連する地域の人々・地域の子どもたちをそれぞれつなぐような地域学習授業を企画した。具体的には、小学校の子どもたちが、地域の陸側の特色である花き農業と、海側の特色であるハマボウフウについて学び、それぞれに関連する地域の人々とつながり、また地域の人々同士も子どもを中心につながる、というフレームを目指して行った。今年度授業の成果物を「ハマボウフウを中心にした校章花壇づくり」と定めた。 4~8月には、地域産業の特色である花きの農家とのつながりを作った。また、昨年度から引き続き、地域のシンボルである要保護海浜植物・ハマボウフウの保護団体および閖上小中学校の副校長との打ち合わせを行った。 9~10月には、小学3年生の地域学習授業を5時限分実施した。花き農業について農家の方を、ハマボウフウについて保護団体の方を、それぞれ招いて体験授業を行った。その後、子どもたちに花壇に使用する苗の栽培や看板づくり、鉢の制作に関わってもらい、最終的に校門前に校章花壇を設置するに至った。 11月には活動に関連した人々に加え、地域復興を支えるコミュニティサロンの運営者、近隣の宮城県農業高校なども参加して、活動の振り返りと今後の展開についての議論を行う場を設けた。そこで、来年度は農業高校も協力しながら、より地域の多くの人々を巻き込んだ活動にすることで合意を得た。 デザインを行う立場として、授業実施に至る人々をつなげる役割を果たしたほか、子どもたちの体験学習を支援する教材づくりや、仮設の木製校章花壇の設計・制作などを行い、来年度以降も授業を継続できるよう知見を蓄積した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラムの実施場所である閖上小中学校にて、授業実施済である。 また、2020年度も継続して授業を行いたい旨、プログラムの関連団体と合意を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に実施した授業内容をさらに体系化し、2021年度以降は研究者が現地に赴くことなく、閖上小中学校と関連団体のみで授業実施できるよう状況を整えていく。 具体的には、授業に必要な教員向けおよび生徒向けの資料のデザイン、各団体の関わり方の整理、授業を計画・実施するためのスケジュール方針を、現地の方々に引き継げるよう構築していく。
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Causes of Carryover |
現地の方々と授業実施の計画を進めていく際に、見込みよりも効率的に日程をまとめることができ、予算に余りが生じた。 次年度は、現地の方々による授業実施の自立のために、どのような支援が必要かより綿密に調査・打ち合わせの機会を設ける予定である。 ただし新型コロナウイルスの影響次第では現地へ伺うことが難しくなるため、研究期間の延長申請も視野に入れる。
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