2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the History of Contemporary Waterfront Design, Focusing on the Linkage of Technological Characteristics, Related Policies and Design Philosophy
Project/Area Number |
18K18313
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福島 秀哉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (30588314)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水辺デザイン / 景観デザイン / 多自然川づくり / 土木デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1)過年度に続き『水辺のデザイン』等の土木学会資料、設計者、専門家、行政関係者等の著作、国土交通省(建設省)発表の通達、告示、「多自然(型)川づくりレビュー委員会」等の関連行政資料を参照し、文献調査をベースに具体的な水辺デザインの対象事例と、事例における技術的特徴の抽出を進めた。並行して当初想定していた事例群を基礎データとしてクラスター分析および、それに基づく事例間の関係を整理を試み、アウトプットのフレームワークとしての系譜図(案)を検討した。さらに系譜図(案)と関連施策と先進事例や整備事例、デザイン思想との関連についてまとめ、その成果を国際学会にて発表し、意見交換をおこなった。 2) 系譜図の整理の中で、多自然型川づくりからかわまちづくりまでの関連施策に基づく取り組みと、継続した地域参画がみられた、豊田市の矢作川流域に着目し、特にこれまで詳細なケーススタディができていなかった継続的な地域参画に着目した調査・分析をおこなった。その結果、河川整備・維持管理に関する住民参画においては、沿川のコミュニティ特性が影響している可能性を指摘した。今後その成果について論文として投稿する予定である。 3) 上記の通り、本研究課題の中心となる現代水辺デザイン史の枠組みについて検討し、国際学会で発表するとともに、地域参画とコミュニティ特性の関係性など今後の課題について整理した。最終年度はさらに補足的に、本来の目的であるより広域の土木デザイン史構築に向けて、公共事業に関わる制度等の制約が大きいダム事業に着目した調査分析をおこなった。具体的には土木学会デザイン賞最優秀賞を自称した内海ダムを対象に、景観検討と新しいダムデザイン実現の関係性について明らかにし、そこから土木デザイン技術の発展に関する考察を深めた。今後その成果についても論文として投稿する予定である。
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