2019 Fiscal Year Research-status Report
見立て遊びを通したデザイン支援と良い形の自動生成に関する研究
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18K18320
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
鶴田 直也 東京工科大学, メディア学部, 助教 (90757931)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 形状モデリング / 折り紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、形を見立てやすい「良い形」についての調査とコンピュータによる形状の自動生成手法の検討を行う。本年度は、後述の理由により大きな進展は得られなかったものの、折りたたみ形状を生成する幾何的なルールやシルエットがユニークになる折り方についての調査を引き続き実施した。折り紙の基本的な操作である目印のある折り方を使用し、紙のフチや折り目を目印としてすべての組み合わせを試行すると、多数の折りたたみ形状を得ることができる。この操作を繰り返し適用することでn回折りたたんだ形状が生成できるが、この際、各ステップにおいてシルエットの合同判定を行うことで、折り手順がユニークなパターンや手順推定が難しいパターンを抽出できることがわかった。 この手法を応用して動物などに見立てた折り紙のシルエットクイズを作成し、研究成果の一部と合わせて大学の公開講座で紹介した。同講座では、小学生から高齢者までの参加者に実際にクイズを解いてもらい、良いフィードバックを得ることができた。具体的には、まず形状の合同判定により折り手順が何通りあるかを計算した。そして、折り手順の数が多い形状は難易度を易しく、また少ない形状は難しく問題の難易度を設定した。また、途中まで複数の折り手順があるパターン、つまり、最後のステップのみ正しい折り方が1通りであるような折りたたみ方はより難易度を高くした。その結果、概ね難易度に応じた解答状況となり、難易度設定が適切であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、シルエットの合同判定を用いて算出した折り手順数の違いに基づいて難易度を設定し実験を行ったところ、概ね想定した通りの結果が得られた。しかし、第一子が生まれて育児に予想以上の時間がかかり研究時間が確保できず、それ以上の展開ができなかったため、進捗状況を遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
4月から5月末までCOVID-19の影響により保育園登園の自粛が要請され、自宅での育児が続き、計画していたエフォートを確保できない状況であった。今後はまず、実験に必要な形状データの生成を試行しつつ、前年度からの成果を論文にまとめることを行う。それと並行して、見立てのし易い形状を生成するための異なるアプローチも検討する。
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Causes of Carryover |
第一子の誕生により育児に予想以上の時間が必要なことがわかり、年度途中で期間を延長する計画に変更したため、本年度の予算は使用しなかった。翌年度では実験用の素材の購入や論文の投稿料、学会参加費に充てる予定である。
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