2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the Spatial Composition with the layout of the Christian Art in the Middle Byzantine churches in Greece
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18K18322
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
猪股 圭佑 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (00634859)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ビザンティン / キリスト教絵画 / 装飾プログラム / オシオス・ルカス修道院聖堂 / ダフニ修道院聖堂 / ネア・モニ修道院聖堂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本応募研究課題はギリシアの中期ビザンティン聖堂建築の代表作と称される3聖堂、すなわちオシオス・ルカス修道院聖堂、ダフニ修道院聖堂、ネア・モニ修道院聖堂における実地調査を行って、キリスト教絵画の主題及び配置による空間構成を分析し、建築と絵画の統合的理解を試みるものである。絵画を含めた空間全体を図式化して建築的空間の意味を解釈し、絵画の主題と配置によってどのように空間全体が意味づけられ、神聖な宗教的空間が創造されたかを知り、複雑な平面を持つビザンティン聖堂建築の空間構成における重要な特徴の一端を明らかにすることに意義がある。 2018年度はアテネのダフニ修道院聖堂、フォキスのオシオス・ルカス修道院聖堂、ヒオスのネア・モニ修道院聖堂においてそれぞれ実地調査を行った。絵画をレイアウトした断面展開図や合成写真、アクソノメトリック図、フォトスキャンソフトによる3次元モデルの作成に必要な、絵画の配置のわかる各室全体の写真と、各部分の詳細写真を、アングルおよび撮影位置を変えながら撮影した。特にフォトスキャンソフトによる3次元モデルの作成には多くの画像データを必用とするため、3聖堂合わせて約5000枚のjpeg及びrawデータ形式の写真を撮影した。さらにオシオス・ルカス修道院ゲストハウスに宿泊し、夕方の儀式及び朝の儀式と典礼への参加が許可され、ビザンティン聖堂におけるギリシア正教の祈りの空間を直に体験することができた。またオシオス・ルカス修道院長より、修道院の歴史や敷地周辺の自然環境に関して話を聞き、今後の研究の発展に繋がる示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダフニ修道院聖堂、オシオス・ルカス修道院聖堂、ネア・モニ修道院聖堂においてそれぞれ実地調査を行い、絵画をレイアウトした断面展開図や合成写真、アクソノメトリック図、フォトスキャンソフトによる3次元モデルの作成に必要な、絵画の配置のわかる各室全体の写真と、各部分の詳細写真を、アングルおよび撮影位置を変えながら撮影することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実地調査の結果を用い、聖堂内部の断面展開図、合成写真、アクソノメトリック図、さらにフォトスキャンソフトによる3次元モデルを作成する。断面展開図による壁面・天井面の絵画の主題と配置の分析、合成写真やアクソノメトリック図を用いた絵画の配置による空間構成の分析を行う。これらを3次元モデル上で確認しながら建築的空間の意味の解釈を行い、各聖堂における空間設計上の意図を明らかにする。
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