2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K18324
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
室巻 孝郎 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80631572)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 分散型システム / 照度分布 / LED照明 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、3次元空間を浮遊する複数の照明機器から構成される照明システムの構築を目指す。これは、複数の照明機器が自律分散的に3次元位置や点灯・消灯パターンを決定することで、空間全体の明るさの分布(照度分布)を制御するものである。具体的に、ドローンなどを利用して、浮遊機能を有する「ホタル照明」を複数台導入し、それらを互いに協調させて3次元空間内の照度分布を制御する手法の開発を進めている。本年度は、実験装置の改良および点灯パターン制御アルゴリズムの開発に取り組んだ。 (1)実験装置の製作:前年度に引き続き、「ホタル照明」製作の前段階として、複数の照明機器を装置の天井から吊り下げ、上下左右方向の移動を可能とした実験装置の改良を進めている。昨年度問題となっていた電力供給用ケーブルの取り回しについては、滑らかにケーブルを巻き取ることのできる機構を開発し、上下方向の移動を電動化することができた。また、照明を吊り下げている装置の水平面内移動についても電動化を進めている。これにより、次年度は構築した制御理論を適用して動作検証を行う予定である。 (2)問題の定式化や制御アルゴリズムの構築について:問題の定式化については、昨年度に引き続き改良を進めている。制御アルゴリズムの構築については、今年度の大きな進捗は得られていないが、平面内の照度分制御手法は構築済であるため、このアルゴリズムを3次元空間のものへと対応させることが次年度の目標である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置の製作については、理論検証用装置の製作が進み、作業の遅れを取り戻しつつある。空間内の照度分布を測定する手段については、まだ実装できていないため、対応が必要となっている。また、制御アルゴリズムの構築については、今年度の進展が芳しくないため、全体としてやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置の製作については、照度測定装置の自動化および、浮遊する照明装置の開発に取り組む。騒音の問題はあるものの、ドローンによる実現あるは、静音の飛行船を用いた方法の両方について検討を進める。固定型実験装置では、照明の個数を増加させることにより、照度分布の表現能力の向上を目指す。点灯パターン決定アルゴリズムについては、これまでに知見として得られている2次限平面内の照度分布を制御する手法を3次元空間の照度分布制御に応用できるように理論を拡張することを行う。実験装置を用いて制御理論の有効性を確認することが今後の目標である。
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Causes of Carryover |
3月に参加を予定していた学会が中止となったため、旅費および学会参加費が不要となり、残額が発生することとなった。次年度、学会発表のための旅費として使用する予定である。
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