2020 Fiscal Year Research-status Report
漢籍利用者の研究行動の解明と利用者タスクに基づく目録作成・評価枠組みの開発
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18K18329
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| Research Institution | Japan Women's University |
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Principal Investigator |
木村 麻衣子 日本女子大学, 文学部, 准教授 (30814024)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 漢籍 / 情報行動 / 書誌データ / 目録規則 / 利用者タスク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，1)特定の資料群，具体的には漢籍の研究者を対象としたインタビュー調査と質的分析により，漢籍利用者の研究行動を明らかにすること，2)漢籍利用者の研究行動から漢籍利用者の利用者タスクを明らかにすることを通じて，特定の資料群の利用者タスク解明手法を開発すること，3)図書館のコンピュータ目録や，デジタルアーカイブにおける漢籍の書誌データに必要なデータ要素を，利用者タスクと対応づけて明らかにし，同時に利用者タスクを用いて，既存の書誌データを評価する枠組みを開発することである。
2020年度は，1)2019年度までに実施した，国内外13名の漢籍利用者（研究者）に対するインタビューデータの質的分析を行い，2018年度に開発した方法に従ってそれぞれの研究者の研究行動の流れを把握した。2)2019年度に開発した，研究行動から利用者タスクおよび漢籍書誌データに必要なデータ要素を導く手法を8名の漢籍利用者のインタビューデータに対して適用して分析を行い，その結果を口頭発表した。3)1名の漢籍利用者に対して遠隔でのインタビュー調査を行った。4)引き続き中国，台湾，北米の漢籍整理に関する標準類および関連文献の収集を進めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度までに実施したインタビュー調査より，本研究におけるインタビュー調査では，できるだけ調査対象者にとっての情報資源が身近にある場所，例えば調査対象者の研究室で行うことが望ましいことが経験的に確認されていた。しかし，新型コロナウイルス感染拡大により，海外でのインタビュー調査が実施不可能となり，来日する海外研究者への接触も難しくなった。さらに，国内の研究者に対しても，研究室を訪問してインタビュー調査を実施することは憚られる状況となった。そのため，当初計画していたような国内・海外でのインタビュー調査を実施することはできなかった。
他方，これまでに実施したインタビューデータを丁寧に分析することに努めた結果，さまざまな分野の研究者の利用者タスクを明らかにするという当初の目的は達成されつつある。分析方法の確定までに紆余曲折があったため，想定よりも分析に時間を要したことから，「やや遅れている」とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
海外研究者へのインタビュー調査を実施できないため，海外と国内の研究者の比較など，当初計画していたことの一部はあきらめざるをえない。しかし，これまでに実施したインタビュー調査の分析から，複数の分野の漢籍利用者の研究行動をとらえ，利用者タスクを抽出することには成功しつつあるため，今後は少数の追加的調査のみで本研究の目的を達成できることが見込まれる。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由：①新型コロナウイルス感染拡大のため，当初研究計画にあった海外でのインタビュー調査の実施ができず，旅費を支出しなかった。②同様に，2020年度は，国内において，ほとんど面識のない調査対象者の研究室を訪ねてインタビュー調査を実施することが憚られる状況であり，インタビュー自体の実施が難しく，インタビュー謝金やインタビューのテープ起こしなど，インタビュー実施にかかる費用をほとんど支出しなかった。
使用計画：海外でのインタビュー調査は実施が難しい情勢であるが，今年度はノートPCも購入して図書館など外出先でもPCが使えるようにする。また，2020年度から所属大学が変わり，本研究に関連する図書館資料の充実度が低下したため，論文執筆のために必要な電子ジャーナルの購読や図書の購入のための支出が当初想定よりも嵩んでいる。今年度は以上の支出に加え，追加のインタビュー調査実施と論文執筆のために残額を使用する。
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