2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for enhancing credibility of a normalized index to quantify publication productivity across disciplinary boundaries: a study with domestic researchers
Project/Area Number |
18K18333
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 鉱 九州工業大学, 先端研究・社会連携本部, 准教授(専門職) (00608903)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 正規化論文数 / 分野間補正 / 平均論文生産性 / 必要最低サンプルサイズ / 層化抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究分野を超えた論文数の比較を可能とする正規化論文数を開発したが,この指標の信頼性を高めるためには,正規化の基準値となる平均論文生産性を精度よく求めるために必要なデータ数と,適切なサンプリング方法を明らかにする必要がある.今年度は,昨年度までの国内17大学から32大学へと対象を拡大し,24,019名の正規教育職員の著者IDリストを基に論文情報データベースを構築し,活用した. データが有限であることによって生じる偶然誤差を最小化するために必要なサンプルサイズを検討した結果,この32大学の場合,各分野のサンプルサイズが800以上あれば,平均論文生産性を精度よく求められることが示唆された. 必要なサンプルサイズを満たしても,大学単位でクラスター抽出したデータに基づく平均論文生産性が,国内平均のよい推定値になるとは限らない.そこで,先行研究を基にこの32大学を論文生産性に応じた4つのグループに分け,各グループの研究者シェアを実際の国内の状況に合わせるようデータを層化抽出し,国内の平均論文生産性を推定した.その結果,32大学のデータに基づく平均論文生産性は,この推定値よりも高い方に偏向していたものの,分野間の相対的な大小関係には大きな差が認められなかった.これは,絶対値は異なるものの,グループ間で分野間の相対的な大小関係のパターンがそもそも類似していることに起因していた.対象大学の研究レベルの偏りは,平均論文生産性のシフトを通して正規化論文数の絶対値に影響を与えるが,それに基づく順位などの相対的な評価には大きな影響を与えないことが分かった.そのため,正規化論文数を計算するうえでは,母集団全体のデータを収集したり,偏りを補正するための層化抽出を行ったりする必要はなく,平均論文生産性の精度を確保するために必要なサインプルサイズを,各分野において満たすことが最も重要であることが明らかとなった.
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