2022 Fiscal Year Research-status Report
児童書出版者のハビトゥス:児童書を取り巻く他業種との比較から
Project/Area Number |
18K18334
|
Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
片山 ふみ 聖徳大学, 文学部, 准教授 (80507864)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 出版者 / 絵本 / 選書論 / ハビトゥス / ライフストーリー / 保育士 / 司書 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、出版者を中心に児童書を取り巻く大人たち(司書、保育士、幼稚園教諭、書店員等)の軸足の違いや共通性を多層的に把握しながら、彼らのハビトゥス(思考、価値観、行動様式など)を明らかにすることによって、広い意味での子どもの読書環境や児童書の選書過程を把握することを目的としている。 2022年度は、前年度に引き続き過去の調査結果の再分析と成果発表を行いながら、図書館における特定資料の提供のされ方に着目し研究をおこなった。その結果、次の3つの研究を遂行した。 ①絵本の選定行為(出版,選書,読み聞かせ等)に関係するいくつかの職業に焦点を当て、先行研究で明らかとなっている職業ごとの絵本に対する価値観を普遍的価値と同時代的価値という視点で横断的に整理し、出版界・図書館界・幼児教育界の共通性を分析した。現在投稿論文を執筆中である。 ②触るという行為がタブー視されることになった社会情勢において、図書館において触ることを目的に存在する資料である「布の絵本」がどのように提供されているのかを、リモートサービスという着眼点で研究し、成果発表をおこなった。このことにより、児童資料のひとつである「布の絵本」の提供状況が明らかとなった。この成果は2021年11月に口頭で発表したが、2022年度はこれを英語論文として学術雑誌に投稿した。 ③障害者サービスの側面から、子どもの読書に対する意識の把握を行った。具体的には視覚障害児向けに作成したPOPが健常児も楽しめるのか否かの調査を行い、口頭発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実母の介護により、一時的に研究活動を中断したため
|
Strategy for Future Research Activity |
以下の通り研究を進める予定である。 1.2018年度に実施したカナダにおける調査について、日本とカナダの状況を比較し、日本と英語圏における子どもの読書環境の相違点や共通点を考察し研究論文として発表する。 2.出版者へのインタビュー調査と報告。 3.量的調査に向けた調査設計。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:実母の介護により、一時的に研究活動を中断したため 使用計画:研究調査実施に必要な機器、謝礼費等に使用する。
|
Remarks |
・ポスター発表と受賞:第24回図書館総合展 ONLINE plus「視覚障害者も健常者も楽しめるPOP」 片山ふみほか、図書館総合展運営委員会 来場者投票賞および出展団体賞(日本事務器賞) ・講演:「大人が子どもによむ絵本の選び方~職業による絵本に対する意識から~」 牛久市立中央図書館 図書館絵本講座、牛久市中央生涯学習センター、2022.6.23
|