2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K18341
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久方 瑠美 東京工業大学, 工学院, 助教 (30588950)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心理実験 / 密度順応 / 空間視 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜上で離れた位置に存在する物体間の空白距離の推定がどのように行われているかについては、未だ検討されていない問題が多い。これについてHisakata et al. (2016)は、高密度のテクスチャへの視覚順応後に、2点の物体間の距離を推定させると、その距離が縮んでみえる現象を発見した。この"密度-距離順応"についての神経基盤を検討する目的のため、今年度はfMRI実験のための行動実験の下地として、その時間特性を心理実験により検討した。実験1では、まず順応時間の効果・順応後の効果量の減衰時間・順応中の刺激更新頻度が効果量へ及ぼす影響を検討するため、円刺激へのサイズ知覚を順応前・順応中・順応後の一連を階段法を用いて測定した。その結果、知覚サイズの縮小量は順応時間が長いほど大きくなること、順応刺激の更新頻度は3Hz、10Hz、0Hzの順に縮小量が小さくなること、順応時間や順応刺激の更新頻度によらず順応後の減衰時間は変わらないことなどが明らかになった。これをうけて実験2では、順応時間は固定し順応時間の更新頻度を0~15Hzで変化させ円刺激の知覚サイズを測定した。その結果、縮小量はおよそ2~5Hzの刺激更新でピークになることが明らかになった。これらの成果を密度-距離順応の空間特性の結果と合わせて、日本視覚学会およびOSA Fall Vision Meetingなどで発表した。さらに実験2の成果はVision Sciences Societyにて発表予定である。 さらにfMRI実験のための行動実験の予備実験を行い、各種パラメータを調整した。またfMRI施設において計測パラメータの打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた行動実験を遂行した。さらに来年度からのfMRI機器使用のための実験計画倫理申請通過および施設での打ち合わせが終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まずfMRI計測に先立ち行動実験を遂行する。さらに同時進行で予備実験としてfMRI測定実験を被験者数名に対し行う。また、予備実験の結果から本実験で使用するパラメータを決定し、fMRI計測の本実験を行う。
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Causes of Carryover |
去年度は、fMRIを使用した計測実験を行わず機器使用料が発生しなかったこと、さらに購入した脳機能解析ソフトウェアが予定していたよりも価格が安くなったことなどから次年度使用額に差額が生じた。今年度は、fMRIの予備実験および被験者10名ほどを対象に本実験を行う予定である。そこでMRI機器使用料および被験者・RA謝金に差額を使用する。
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