2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Movement Strategy of Ants based on Local Information
Project/Area Number |
18K18343
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
崎山 朋子 創価大学, 理工学部, 准教授 (30770052)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ピンクノイズ / パターン / 蟻道 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は, 本テーマであるトラッキング装置を用いたアリの歩行解析に関する論文を出版した. 小型昆虫歩行トラッキング装置(ANTAM)上にクロヤマアリのワーカーを設置することで, 長時間トラッキングが可能となる. 本論文では, 歩行パターンの多様性とその背後に潜む普遍的な揺らぎの解析を焦点としている. 揺らぎ解析により, 見かけ上まったく異なる歩行パターンを示しても, ピンクノイズに従う歩行の変位増幅を示すことが明らかとなった. これは, 局所的な移動の停止・加速を予測不能の形で個体が実現していることを示唆する. 査読者からも高い評価を得ることができ, 比較生理学分野の専門誌である journal of comparative physiology Aに掲載された. また, トビイロケアリを用いた蟻道合流時の個体の意思決定に関する実験も, Scentific Reports誌に受理済みである. こちらは学生との共同論文となっており, 論文内では, 蟻道の流れに逆流するという, 蟻道上でのアリの振る舞いにおける新たな知見を実験的に示すのみならず, シミュレーションを行うことで, 逆流することの機能的意義についても問うている. 実験結果から得られる事実に反して, 流れに沿わした場合, エージェントは道を失い, 特定ゴールにたどり着くことが難しくなることが明らかとなった. この論文に関しても査読者から非常に高い評価を得ることができた. また, 実験結果のみを簡易にまとめた関連論文は計測自動制御学会が発行する論文集(査読有)において出版されている(2022年1月).
|
Research Products
(15 results)