2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of information content of in classifiable visual patterns and its impact on scene familiarity
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18K18345
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
星野 英一 慶應義塾大学, グローバルリサーチインスティテュート(三田), 特任助教 (00816796)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視覚情景 |
Outline of Annual Research Achievements |
情景の類似度判断には個々の要素の頻度というローカルな情報と要素の位置関係というよりグローバルな情報が関係することが先行研究で分かっている。本研究においては、これまでに、このローカル情報とグローバル情報の関係性自体が類似度判断に影響を及ぼすことを明らかにしてきた。また、ローカル情報とグローバル情報の関連性という情報は記憶の時間的近接性と交互作用を持つことを明らかにした。こうした成果を踏まえ、最終年度では、情景の類似度判断を行う際の体系的な認知的モデルの構築を探索的に行った。具体的には、前年度までの学会発表での成果発表における研究者との意見交換で得られた洞察を元に、情景に含まれる物体のローカル情報とグローバル情報のそれぞれの関係性の説明するモデルの探索を試みた。そのためにコンピュータを使い確率モデルを用いて多面的にシミュレーションする取り組みを行った。年度の前半において、ローカル情報とグローバル情報の関係性の違いによる複数の条件について、それぞれの条件で分散を説明するモデルのパラメータ調整とそのモデルを用いた解析を行った。後半は、条件間の違いを考慮に入れた大規模なモデルの解析を行った。その結果として、ローカル情報とグローバル情報が共に低い情景同士や高い情景同士の類似度判断と、ローカル情報とグローバル情報のいずれか一方が似ていて他方が似ていない情景同士の類似度判断において、異なる処理が行われていることに関して、記憶の減衰や判断の困難さを反映したモデルに対する一定の評価を行うことができた。この成果は情景の類似度判断のメカニズムについての体系的なモデルを提案することになり、その理解を助けることに貢献することが期待される。
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