2020 Fiscal Year Annual Research Report
Computational structural modeling of endovascular divices for cerebral diseases
Project/Area Number |
18K18367
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大谷 智仁 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (40778990)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計算バイオメカニクス / ステント留置術 / braided stent / マイクロCT / 大たわみ / シェル要素 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度において,屈曲したマイクロカテーテル内に留置された編み込みステントの形状をマイクロCT装置により計測した.まず,編み込みステントをマイクロカテーテルへ留置し,カテーテルを固定するために構築した機材へと設置した.ここで,機材として,複数の曲率を持つ屈曲血管の模擬形状を3Dプリンタにより作成した.所属研究室が所有するマイクロCT装置を用いて,カテーテル内部の編み込みステントを計測し,カテーテルの屈曲度合と,ステント形状との関連を調べた.結果として,カテーテルの屈曲に伴い,カテーテル内部のステント形状が扁平化する様子を確認した.この結果は,編み込みステントの半径方向の変形の拘束とステント形状の扁平化との関連を示すものであり,2019年度における数値解析による結果と整合する. また,2018年度および2019年度において,血管内治療用デバイスの構造力学解析のために構築した梁の有限要素モデルを,薄板の構造力学モデルであるシェル要素へと拡張し,下肢の片麻痺のリハビリテーション器具である短下肢装具の力学挙動の評価へ応用した.ここで,下肢の片麻痺は脳血管疾患の後遺症として生じ,下肢が定常的に底屈方向に屈曲するものである.したがって,短下肢装具は底屈方向に対して高剛性が期待される一方で,安定的な歩行を阻害しないように,背屈方向に対して低剛性が望まれる.これらの相反する力学的機能の理解にむけ,底屈,背屈方向のそれぞれの外モーメントの負荷に対する短下肢装具の力学挙動の違いを数値計算により調べた.結果として,背屈方向のみ,足首付近の領域で座屈が生じることで,みかけの低剛性が達成されることを明らかにした.この結果は患者ごとに適した力学特性を持つ短下肢装具の設計に有用な指針を提供するものであり、本研究課題で構築した構造力学モデリングの、医療デバイス開発にむけた広い汎用性を示せた。
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