2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive molecular analysis of biological tissues by deep-UV excitation autofluorescence hyperspectral imaging
Project/Area Number |
18K18370
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊本 康昭 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30611727)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 深紫外光 / 分子イメージング / マルチカラー / 自家蛍光 / 顕微鏡 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子網羅的顕微イメージング分析は、生物の活動や機能及び状態の包括的理解に不可欠である。本研究では、生体の自家蛍光を利用する分子網羅的顕微イメージング分析法を研究した。初年度は深紫外光ライン照明により試料の広範囲を空間分解能よく高速に蛍光ハイパースペクトルイメージングできる装置を開発した。最終年度は、深紫外光により励起できない生体内自家蛍光性分子も観察できる自家蛍光性分子網羅的非染色イメージング装置を開発した。この装置では、自家蛍光性分子の多くが顕著な吸収帯を有する波長300nm以下の深紫外域と波長300nm以上の紫外域の2つの光源を用い、光源の波長域以外において蛍光スペクトルを測定できるように設計した。この紫外・深紫外2波長励起蛍光ハイパースペクトルイメージング装置によりラット肝臓組織を測定した結果、紫外光により効率よく励起できるレチノールと深紫外光により効率よく励起できるトリプトファンの空間分布を、紫外域または深紫外域の1波長による励起のときよりもコントラストよく、撮像できた。この方法により正常肝と脂肪肝の組織とを測定した結果、正常肝と脂肪肝において異なる分布の分子イメージング画像を得られた。さらに脂肪肝組織のなかでもレチノールなどの分子の分布において炎症の多寡による違いが見られた。この結果は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の分析に紫外・深紫外2波長励起蛍光ハイパースペクトルイメージングが有用であることを示唆している。また得られたデータを多変量解析により解析した結果、トリプトファンともレチノールとも異なる空間分布・スペクトルを示す成分を分離することにも成功した。
|
Research Products
(11 results)