2018 Fiscal Year Research-status Report
新規反応性ナノ造影剤による自由行動下における全脳網羅的神経脱分極MRI法の開発
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18K18375
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 千佳 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 研究員(任常) (70772888)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マンガン造影MRI / 前臨床MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の活動は千数百億個の細胞の協調的な活動であり、個々の活動とその連繋との総和を観察することは、その情報処理機構を理解するために重要であるが、従来の脳機能計測法では、自由行動下において、全脳の活動をin vivoで3次元的に可視化することは出来ない。本申請は、自由行動下における全脳での神経細胞の脱分極の3次元マッピングを可能とする技術開発を目的とし、申請者はマンガン造影MRI技術と反応性ナノ粒子技術を組合せることで、その実現を目指している。 本年度は、自由行動下での神経賦活マンガン造影MRI法の実証に向けて、自由行動下での投与プロトコルと既存の行動課題装置を融合させ、行動実験直後にMR撮像が可能な環境の構築を開始した。実験動物としてはマウスを使用することとし、一定時間以上神経賦活が生じるような適切な行動課題の探索を行い、他の行動課題よりも長時間脳活動が変化すると考えられる、社会性行動課題(social interaction test, 初見の囮動物をケージに入れ、被験動物が囮動物に近づく回数や時間、行動量等を解析する)に決定した。また、神経トレーサー開発のため、マンガン造影剤の脳実質内への局所注入実験を行い拡散速度を計測し、局所注入から24時間後に、注入領域に対して入出力領域が造影されていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画と比べ、造影剤の合成・修飾に関する検討に期間を要し遅延が生じているが、神経トレーサー開発に関する検討を前倒しで進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
造影剤の合成・修飾に関しては、予定とは異なる造影剤を使用しながら、前年度に開始した、自由行動下で造影剤を投与し行動実験直後にMR撮像が可能な環境の構築を完了させ、健常個体での自由行動下での投与および信号検出を予定している。造影剤の合成・修飾が成功した段階で個体への投与および行動実験への適用を実施する。
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Causes of Carryover |
当初の実験計画から、取り組む順序を変更したため、余剰が生じた。進捗状況次第であるが、計画とほぼ変わらない内容で次年度以降に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)