2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K18381
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 悠加 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (30784508)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 粒子 / 生体材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工材料を生体内に移植することで失われた生体機能を代替しようとする試みは多く行われている。しかし、移植された物質は生体の免疫反応により本来期待された機能を発揮できないことが多い。そこで本研究では細胞と材料との相互作用を理解し制御することを可能とする材料を提示することを目的とする。これを達成することで免疫反応の理解の一端となるとともに長期に移植可能な材料設計を提示することができると考える。この目的を達成するために本研究では細胞を材料として捉え、疑似細胞材料を作製する。ここで細胞という複雑な系を全て再現することを目指すのではなく、材料として大量に作製することが可能な設計指針を提示することが大切であると考えている。すなわち、この疑似細胞材料はまず細胞と似ている形状、粘弾性および表面構造を持つものとして考え、作製を試みる。このための方法としてマイクロ流体デバイスを用いたポリマー粒子の作製を行う。さらに粒子の表面修飾をするためにマイクロ流体デバイスの表面修飾を行うことにより効率的に作製したポリマー粒子表面の修飾を行う。今年度はマイクロ流体デバイスを用いた直径数10マイクロメートルのハイドロゲルの作製を検討し、異なる粘弾性を持つハイドロゲル微粒子の作製に成功した。また、この検討と平行してPDMS表面の化学修飾を検討しPDMS表面での高分子重合を行った。次年度はこれらの技術を統合し、細胞類似材料の作製と生体内反応の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソフトリソグラフィー法を用いたマイクロ流体デバイスを用いてハイドロゲル微粒子を作製する方法を確立することができた。また、マイクロ流体デバイスを用いて作製したハイドロゲルのマイクロ構造体の生体内の挙動について国際学会で発表することができた。また、PDMS表面への化学修飾の方法も確立しつつあることから当初の予定通りに進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマイクロ流路を用いて細胞膜表面に提示されている生体分子を得意的に回収し、それを用いてゲル微粒子の表面を修飾することを行う。現在までにPDMS表面の化学修飾を行うための手法は確立されつつあるため、その技術を用いて粒子の表面への修飾を行う。
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Causes of Carryover |
デバイス表面の化学修飾が予想以上に進展し、そちらに注力したため当初の予定より細胞を用いた実験を始めるのが遅くなった。このため、細胞培養のための培地や生化学試薬の購入が少なくなった。また、予定していた国際学会が韓国で行われたため旅費が少なかった。今年度は細胞を用いた実験を多く行うため、2年間の合計としては当初の予定通り細胞培養用試薬や生化学試薬により予算を使用する。
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Research Products
(1 results)