2018 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞への長期的遺伝子発現を可能とするエピソーマルベクターの迅速作製法の確立
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18K18385
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 弓子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定助教 (20778162)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに細胞核でエピソーマルに持続感染する特徴を持つボルナウイルス(BoDV)を利用したウイルスベクター、ボルナウイルスベクター(BoDVベクター)を開発した。BoDVは細胞周期を通じて複製複合体であるリボ核酸複合体(RNP)を宿主染色体に結合させながら複製するため核内で持続感染する。しかし、増殖の過程でDNAを生産せず、複製のために宿主染色体に入り込む必要がないため、宿主ゲノムに組み込まれる可能性は極めて低い。また、ウイルスの多くは増殖の過程で宿主細胞を殺してしまうが、BoDVは細胞障害性を示さずに持続感染するため、インテグレーションフリー長期遺伝子導入ツールとしての有用性が高い。iPS細胞への安定的かつ効率的な遺伝子導入法の確立は、再生医療や創薬の開発において重要な課題である。ボルナウイルスベクターは宿主ゲノムへ組み込まれることなくiPS細胞へ効率よく安定的に遺伝子導入が可能であるが、他のベクターと比べ作製効率が悪いという問題点がある。平成30年度はボルナウイルスベクターの作製効率を改善するため、①ベクター産生細胞の検討、②ベクタープラズミド導入法の改良を目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度予定していた実験計画①では様々な細胞を用いてBoDVベクターの複製効率を比較し、ベクター産生効率の高い細胞を同定することができた。しかし、実験計画②で予定していたベクタープラズミド導入方法の改良を行うまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、ベクタープラズミド導入法を改良するため、ヘルパープラズミドを発現するヘルパー細胞を作製する。さらに、改善後のプロトコールで作製したベクターの遺伝子導入効率と安全性試験をiPS細胞を用いてin vitro評価系にて行う。
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Research Products
(1 results)