2019 Fiscal Year Research-status Report
左心室内3次元血流ベクトルの超高時間分解能超音波計測システムの開発
Project/Area Number |
18K18395
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (60781648)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 1.5D超音波アレイプローブ / 2次元血流推定法 / 3次元スペックルトラッキング法 / ベクトルフローマッピング法 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は昨年度にシミュレーションに基づいて設計した1.5次元(1.5D)超音波アレイプローブを用いて、ファントムを計測することでその性能評価を行った。 実際に設計した1.5D超音波アレイプローブを用いて、空間分解能・SNR等の評価を行った。その結果、シミュレーションによって算出した値と近い値が得られ、期待した性能が得られていることを確認した。また、生体を模擬したファントムを自動ステージを用いて、3次元的に移動させた際に、提案している3次元速度推定手法によって算出した速度ベクトルと真値との比較を行った。3次元的に速度推定を行うことで、従来の2次元速度推定手法を用いて推定した際と比較しても、推定値のばらつきが抑制されることを確認した。この際の計測においては、Microsonic社製の超音波送受信システムRSY0002を用いた。 3次元血流速度推定に関する精度検証においては、超音波シミュレーションによって得られた結果とその速度ベクトルの真値との比較を行うことで実施した。さらに、左心室内の3次元流れを流体解析シミュレーションを用いて推定することで、よりヒト心臓の血流動態に近い流れを再現した。 上記の1.5D超音波アレイプローブの評価に加えて、本年度は血流速度ベクトル推定法をさらに発展させ、心臓壁にどの程度の応力が加わっているかを示すWall shear stress(WSS)の推定手法も確立した。新しく提案した推定手法は、速度プロファイルの変曲点に着目しており、従来手法よりもWSSをより安定的に推定することが可能である。WSSは心機能の重要な評価指標の1つであることが知られている。これによって、血流動態だけからは分かりえなかった心機能の情報も得られ、心機能をより詳細に評価することが可能であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、設計した1.5D超音波アレイプローブを用いて、評価ファントムおよび生体模擬ファントムの計測をすることで、その性能評価を実施することが可能であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度では、設計した超音波アレイプローブを用いて、引き続き血流速度推定法の精度評価を行う予定である。 その後、心臓の3次元血流推定を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により参加を予定していた2020年日本音響学会春季研究発表会(3月16日、17日、18日)が中止になったため。
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