2018 Fiscal Year Research-status Report
圧力駆動アクチュエータの先端角度制御と接触力計測のための光学式センサの開発
Project/Area Number |
18K18397
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 佳則 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (20402505)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光センサ / ソフトロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
腹腔鏡手術やカテーテル術など低侵襲医療によって患者の術後QOLが大幅に向上する一方で、医師に高度な技術と訓練が要求されている。特に体内に挿入される医用機器には高い安全性が求められるため、一般的な工業用センサやアクチュエータを転用することは困難である。これらの問題を解決するため、本研究では従来のセンサとアクチュエータを組合せるのではなく、両者一体となったシステムの構築を目指して研究を進めてきた。 体内で使用する機器は組織への漏れ電流が厳しく制限され、非常に厳しい絶縁処理が求められる。そのため、コンセプトレベルで漏れ電流のない設計を実現し試作を行った。これにより、従来存在した技術的課題である、狭小空間へのセンサ配置および配線法、センサ自体の剛性による組織損傷回避、破損事故時の漏電対策を克服した。初年度は、提案センサの動作原理の検討、設計手順の構築、加工方法の選択、形状決定の最適化などを行い性能評価するための環境を整えた。また、試作機を作製し機能評価実験を行った。これにより、曲率とセンサ出力との実験的な関係を求めることができた。また、設計手法を明確にするため、幾何光学を用いた簡便な理論モデルの構築を行った。本年度構築したモデルはセンサ内部での光路を簡略化したモデルであるが、これと、試作機での実測値との比較をおこなったところ、おおむね同じ挙動を示すことが確認されたため、作製した理論モデルの整合性が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はまずセンサの試作を行い、原理検証実験を行った。各種曲率に対応するセンサの出力値の測定実験及び理論モデルとの比較を行った。おおむね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在取り組んでるシステムの機能評価及び、開発しているセンサシステムの原理を応用しモデル構築に取り組み、研究計画に沿って進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の計画通り、研究は進んでいるが想定よりも消耗品の交換頻度が少なかった点、および研究過程で着想した理論モデルの構築に取り組んだ結果、物品費の使用額が少なくなった。一方で、想定していなかった海外招待講演が次年度に入るなどし、従来計画に加えて旅費の増加が見込まれるているため、当初計画より2年目使用予定額にシフトして使用するよう計画した。
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