2019 Fiscal Year Research-status Report
レドックスイメージングによる病態解明を目的としたNASH非侵襲的診断法の開発
Project/Area Number |
18K18399
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
中田 亮輔 日本医科大学, 医学部, 助教 (70614759)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | NASH / 肝臓 / DNP-MRI / 非アルコール性脂肪肝炎 / NAFLD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生体内レドックス状態を動的核偏極磁気共鳴画像(DNP-MRI)で評価することで非アルコール性脂肪肝疾患/非アルコール性脂肪肝炎(NAFLD/NASH)の病態発症、進展を正確に診断するための技術開発を目的としている。2018年度ではメチオニン-コリン欠乏食餌をあたえたNAFLD/NASH病態モデルマウスの病態再現性を確認し、病態の進行とともにマウスの生体内レドックス状態の変化をin vivo DNP-MRIで捉え、レドックス状態が病態が反映されることがしめされた。2019年度はその病態進行に伴い、生体内レドックス状態に変化が生じるメカニズムを解明するために、詳細な検討を行った。その結果、in vivo DNP-MRIで検出されたレドックス状態の変化が肝細胞レベルでも同様の変化が生じていることが確認され、統計解析の結果、病態モデルマウスの病態進行ならびにin vivo DNP-MRIで得られた結果と相関性が認められることを示すことができた。さらに、前年度より予定していたミトコンドリア機能異常に関連したNAFLD/NASHの病態発現の原因を解明するため、病態モデルの肝臓からミトコンドリアを抽出し、それ自体のレドックス状態について評価を行った。その結果、病態モデルから抽出されたミトコンドリアはX-band EPRを用いてレドックス状態を評価したところ、通常モデルと比較してCmPのラジカルプローブの代謝速度が減少する結果が得られ、病態進行によりミトコンドリア自体のレドックス状態に変化が生じていることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に予定していた In vivo DNP-MRIを用いた各種実験が予定通りに進展した。昨年度末に予定した今年度の抽出ミトコンドリアに関する実験をほぼ予定通りに遂行することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度明らかになったNASHの病態進行に伴う抽出ミトコンドリアのレドックス状態の変化が生じているメカニズムを明らかにするべく、酸素消費量の測定による電子伝達系の機能評価をいくつかの基質の存在有無など条件を変えて実験を行い評価し、また、電子伝達系のcomplexに対する阻害剤を用いたレドックス評価実験を行うことを想定している。
|
Causes of Carryover |
実験動物や実験試薬の購入金額が想定より抑えられたため。
|
Research Products
(1 results)