2020 Fiscal Year Annual Research Report
Detection of Atrial myocardial fibrosis with Infiltration of Epicardial adipose tissue by using Raman scattered light ~New Treatment Strategy for Atrial Fibrillation~
Project/Area Number |
18K18400
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
安部 一太郎 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (00747595)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ラマン散乱光分析 / 線維化組織 / 心房細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
心房細動に対する根治療法として,原因箇所を高周波で焼灼するカテーテルアブレーションが主流である。“発作性”心房細動は70~80%程度が治るようになってきた。その一方で,心房細動が半年以上続いている“持続性”心房細動では,アブレーションの成功率は大きく低下する。その要因は,どこを焼灼すべきかがわかっていないためである。代表者は,4年前に心臓手術中に得られるヒト心房組織の解析に着手し,“心外膜脂肪が心房筋に浸潤する局所”で持続的な炎症と線維化が惹起され持続性心房細動の原因となるという知見を発表した。本研究の学術的「問い」は,“心外膜脂肪が心房筋に浸潤する局所”は,①持続性心房細動の基質を形成しており,心房細動カテーテルアブレーションの標的治療部位になるのではないか?,および②ラマン散乱分析を応用すれば,この箇所を検出で きるのではないか?である。代表者は,ラマン散乱光分析(注:検査対象にレーザーを照射した際に発生する微弱な光を分光し,得られた分光スペクトルより分子の結合を解析する手法)による生体組織の線維化特定法を開発中である。これまで,線維化および脂肪組織に特異的なラマンスペクトルを検出できた。これを推進し,大型動物やヒト心臓組織にて線維化特定を試みているが,線維化組織から発生する強い自家蛍光のため,線維化(コラーゲン)に特徴的なラマンスペクトルの検出に困難を生じている。また,光ファイバー型ラマン装置が平成31年2月に完成し,現在は基本性能を検証中である。
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