2019 Fiscal Year Research-status Report
超音波エネルギーを用いたカテーテル関連バイオフィルム血流感染症の新規予防法の開発
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18K18401
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鯉渕 晴美 自治医科大学, 医学部, 講師 (20382848)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 表皮ブドウ球菌 / カテーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、引き続きバイオフィルム形成阻害にもっとも有用なパラメーターに関して検討を行った。 前年度は超音波強度を一定にしたうえで、Duty比を変化させたシーケンスと pulse repetition time(PRT)を変化させたシーケンスでバイオフィルム形成阻害効果を比較した。PRTが一定のときはDuty比が高いほうが、Duty比が一定のときはPRTが短いほうが阻害効果が高いことが証明された。PRTはシステムの最低値 1msでもっとも阻害効果が高かった。今年度は超音波強度をさらに低くし(すでに商品化されている超音波骨折治療器と同様で人体への悪影響はないと判断される超音波強度:ISATA=30mW/cm^2。)、形成阻害にもっとも有用なパラメーターを検討した。 ISATA=30mW/cm^2のとき、Duty比は40%あるいは60%のときにもっともバイオフィルム形成阻害効果が高かった。以上より、バイオフィルム形成阻害に有用なパラメータはDuty比あるいはPRTということがわかった。 前年度と今年度の研究結果より、Duty比40%、PRT 1ms、ISATA=30mW/cm^2、Duty比40%あるいは60%のシーケンスでバイオフィルム形成阻害効果を確認したところ、Duty比は40%のほうが阻害効果が高かった。 以上より、バイオフィルム形成阻害に使用する超音波照射条件は、ISATA=30mW/cm^2・Duty比40%・PRT 1ms と決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は昨年度に引き続き、バイオフィルム形成阻害にもっとも有用なパラメーターに関して検討を行った。目標であったバイオフィルム形成阻害に使用する超音波照射条件、(ISATA=30mW/cm^2・Duty比40%・PRT 1ms)を定めることができ、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオフィルム形成阻害のための超音波照射条件が決定したので、今後は臨床応用を念頭に置き、実際にカテーテル表面に超音波照射を行う。 カテーテル照射のためのあらたなシステムに関して、検討・準備している。
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Causes of Carryover |
前年度未使用額が多く今年度の支出に充当したため、次年度使用額が生じた。 次年度はカテーテル表面への超音波照射システム構築に対し経費を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)