2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a microchip for extracellular vesicle naked-eye detection and easy analysis toward point-of-care diagnosis
Project/Area Number |
18K18404
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石原 量 順天堂大学, 医学部, 助教 (30633507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 表面機能化自律駆動マイクロチップ / UVグラフト重合法 / 細胞外ベシクル / その場診断 / 乳がん / 血清 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,がんをはじめとする様々な重篤な疾患の“その場診断手法”を確立するために,申請者が開発している,持ち運び可能な「表面機能化自律駆動マイクロチップ」を用いて,バイオマーカーを裸眼および簡易検出する手法の確立をめざすものである。がんのバイオマーカーの中でも,乳がん細胞由来の細胞外ベシクル用いて実験をおこなった。これまでの研究では,“リン酸緩衝食塩水中”に存在する細胞外ベシクルを標的として利用してきたため,今年度はより実際がん診断に近い“血清中”の細胞外ベシクルを検出することをめざし,研究費の一部(145,971円)を延長という形で次年度に持ち越し研究を進めた。得られた成果は以下の2点である。 (1) ポリジメチルシロキサン製のマイクロチップの流路内表面に,UVグラフト重合法を利用して高分子グラフト鎖を付与する際の,開始剤の濃度,モノマー濃度,UVライトの照射時間などの種々の実験条件が,グラフトされた高分子鎖の密度や保存安定性などに与える影響に関する成果を学会発表することができた。 (2) 延長の目的であった,血清中に存在するがんのバイオマーカーである細胞外ベシクル(乳がん細胞由来)の検出に成功した。しかし,実際にがん患者の血液に本マイクロチップを適用するには検出感度の向上が必要であることも分かった。 本課題の成果の一部は,第69回高分子学会年次大会において発表した。また本研究課題のもう一つの目標であった裸眼検出に関しては,裸眼検出に利用するためのDNA修飾金ナノ粒子の調製し,チューブ内においては一部凝集現象が確認できたが,金ナノ粒子の保存安定性が悪く,安定した金ナノ粒子の調製が課題として残った。
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