2018 Fiscal Year Research-status Report
生体内温度分布の「見える化」機能を有する新規ハイパーサーミア加温システムの開発
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18K18408
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
井関 祐也 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00780222)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 空胴共振器 / ハイパーサーミア / 有限要素法 / 電磁界解析 / 温度分布解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、癌温熱療法(ハイパーサーミア)用の全く新たな治療装置を開発することにある。具体的には、患者の体に傷をつけずに深部癌の加温治療および温度分布の「見える化」が可能な、革新的な完全非侵襲癌治療装置を開発することにある。本年度(平成30年度)は研究実施計画に従い以下の検討を実施した。 (1)空胴共振器の設計・・・ 有限要素法解析(FEM)によって、空胴共振器の寸法を決定した。具体的には、無数に発生する共振モードの中から、深部局所加温に適した共振周波数の選定および空胴共振器の寸法を電磁界解析および伝熱解析を連成解析することで最適寸法を決定した。また、これらのシミュレーション結果を基にパワーアンプの周波数等の仕様を決定した。 (2)空胴共振器の試作・・・ (1)での設計を基に、空胴共振器を試作した。空胴共振器本体はアルミニウム製とし、アンテンナには銅板を用いた。また、アンテナの性能評価をアンテナアナライザーを用いて実施し、利得の大きなアンテナ形状を決定した。 (3)試作空胴共振器による加温実験・・・ 加温実験結果とコンピュータ・シミュレーション結果との比較を指標とし試作加温装置の評価を行った。ここでは現有の赤外線サーモカメラを使用して温度分布計測を行った。その結果、試作した空胴共振器およびパワーアンプが正常に動作することを確認し、加温結果もコンピュータ・シミュレーション結果とよく一致した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空胴共振器の設計および試作が終了し、次年度の研究計画に向けた準備実験を開始することができたたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成31年度は「温度計測プログラムの改良」を、平成32年度は「空胴共振器と温度計測技術の融合」を、最終年度にあたる平成33年度には、本研究課題の総合評価を実施する。
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Causes of Carryover |
高周波アンプが当初の見積よりも小額となったため差額が生じた。 次年度に繰り越し、空胴共振器改良用消耗品の購入費として使用する予定である。
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