2019 Fiscal Year Research-status Report
Emergent Cooperative Robot Control to Convert Examiner's Procedures, Experiences, and Senses
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18K18409
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
青木 悠祐 沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70584259)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波診断支援ロボット / 熟練手技解析 / 医用画像処理 / ROS / プローブプランニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は超音波診断における医師や検査技師の手技・経験・感覚を変換する創発協調ロボット制御を確立することである.具体的には(i)超音波診断における検査者の手技・経験・感覚の計測,(ii)検査者の意図を再現する創発協調ロボット制御理論構築の2点を実施している.令和元年度は(1)を中心に,(2)についても一部実施した. 本研究では,超音波診断における熟練手技を表す指標をメンタルローテーション能力と定義し,プローブ移動量と断層像変化からその関係性を議論してきた.また,熟練者は断層像のみを見ながらプローブを走査することによって音響窓の位置を発見している点に着目し,プローブ接触位置・姿勢計測システムの構築を進めてきた.その際プローブを体表面に当て,観察している最中に呼吸によって臓器の位置が相対的に移動してしまう現状への対応として,体動補償系を提案し,熟練手技再現のためのシミュレーション環境を構築した.その結果,特定の条件下であるものの,単一のプローブでプローブの相対移動量を臓器形状から算出することができた. 一方,今見ている断層像が診断に適しているのか,即ち音響窓か否かに関する考察が不十分であったことに対して,取得した断層像の平均輝度値を解析した結果とプローブ位置・姿勢情報を組み合わせ,音響窓のみを取得するプローブ可動域を可視化するシステムを構築した. また,熟練者の行うプローブ走査をロボットにより再現するためROS(Robot Operating System)を採用し,ロボット駆動環境を構築した.作成したROSノードにより,モーションキャプチャで取得したプローブ走査データを用いてエンドエフェクタの位置・姿勢を決定することで,ロボットの軌道生成に成功した.この環境には超音波診断装置や患者などのモデルを配置が可能であり,実際の運用環境に近い状況でのシミュレーションが可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的に対する進捗度は以下の通りである. (i)超音波診断における検査者の手技・経験・感覚の計測 Mo-capによる手技計測, ワイヤレス筋電センサによるプローブ走査時の負荷計測についてはシステムが完成し,実験を進めている.経験については医療従事者に協力を仰ぎ計測実験を実施し,解析を進めている.
(ii)検査者の意図を再現する創発協調ロボット制御理論構築 ROSによるプローブプランニングシステムを構築すると共に,新たに本研究に展開可能な7自由度ロボットアーム を導入したことによって研究環境が完成した.次年度は本システムを用いて計測した検査者の意図を反映するロボット制御系を構築していく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は次の点に研究の焦点を当て,テーマとする. (i)超音波診断における検査者の手技・経験・感覚の計測 Mo-cap,筋電,脳波等を計測可能なシステムを用いて検査者・被検査者共にデータ数を増やし,実験を重ねる.この際,特定の症例を対象として計測したデータを再現することによって未熟検査者/研修医へのトレーニングシステムへと応用を図る.
(ii)検査者の意図を再現する創発協調ロボット制御理論構築 ROSによるシミュレーション/実機環境を活用し, ロボットが把持するプローブの自律駆動によって断層像が取得可能な環境を構築する.合わせて人とロボットの協調動作システムを構築し,ロボット導入による効果を定量評価する.
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Causes of Carryover |
本研究実施に当たって当初計画では既存のロボットの改良設計を予定していたが,別途導入したロボットが本研究でも活用可能になったことから,ロボット用機械部品費が浮く形となった.この費用については,本研究の成果を促進するため,違和感のない人とロボットの協調動作を実現するためのプローブ把持部開発に必要となる機器および材料購入費とする予定である.
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