2020 Fiscal Year Research-status Report
Microperimeter3を用いた新しい視機能評価系の確立とその有用性の検討
Project/Area Number |
18K18413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 公子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50814688)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロペリメトリーMP3視野計 / 網膜感度 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜疾患を有する患者に視機能評価系マイクロペリメトリーMP3視野計(ニデック社)を用い網膜感度を測定し、光干渉断層計(OCT)や眼底自発蛍光(FAF)などの網膜画像所見を重ね合わせることで、網膜構造と網膜機能(網膜感度)の関係をより精密に解析できることを目的としている。またMP3視野計が、従来視機能評価方法として用いられてきた静止視力や視野計とは別に、新しい視機能評価系のパラメーターとして確立できることを目的としている。 網膜静脈分枝閉塞症により黄斑浮腫をきたし抗VEGF治療を行った患者に対し、注射前後で視力検査とMP3視野計の両方で視機能評価を行い、OCTを用いて測定した黄斑部の網膜体積との関連を比較検討した。閉塞部位の網膜体積は矯正視力とは相関しなかったが(p=0.25)、閉塞部位の網膜感度と有意に相関した(p=0.033)。またそれらの症例に対し抗VEGF硝子体注射を行ったところ、注射前後の矯正視力の変化は、閉塞部位の網膜体積や中心窩網膜厚の変化と有意な相関を示さなかったが(p=0.36, 0.52)、閉塞部位の網膜感度の変化はこれら網膜構造の変化と有意な相関を示した(p=0.0047, 0.015)。(Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2020 The usefulness of the retinal sensitivity measurement with a microperimetry for predicting the visual prognosis of branch retinal vein occlusion with macular edema.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MP3で測定した網膜感度が新しい視機能評価方法として有用であるか調べるため、従来用いられてきた視機能評価方法である視力検査と比較検討している。 今回BVOの患者に対し、視力検査と網膜感度の両方で視機能評価を行った。網膜感度は矯正視力に比較して、OCTで測定した網膜構造とより相関性があった。このことより網膜感度は網膜構造をよく反映しており、網膜機能を評価するパラメーターとして、従来用いられてきた視力検査と遜色ないことが証明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
OCT angiography(OCTA)が非侵襲的に網膜構造を把握できるため広く活用されてきている。今後はOCTAも交えて網膜構造と視機能の関係を研究していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
学会参加費、旅費が当初予定していたより少なかった。 海外学会参加費等に使用予定
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Research Products
(3 results)