2019 Fiscal Year Research-status Report
客観的技術評価可能な内視鏡外科シミュレータによる次世代外科医育成システムの構築
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18K18415
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
神保 教広 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10650559)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児 / 内視鏡手術 / 腹腔鏡下腎盂形成術 / 網羅的疾患シミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
技術評価システムを備えた小児内視鏡外科手術の網羅的疾患シミュレータとして、腎盂形成モデルの作成を昨年度に行い、同シミュレータの改善として、尿管の脆弱性を再現するためのより細く、薄い素材での中空構造を有する尿管作成を行った。この尿管を用いて先に開発していた腎盂と合わせることで新しい腎盂形成モデルの作成を行った。腎盂形成モデルの開発について、2018年度は旧モデルについて国際学会を含め発表し、2019年度は新しいシミュレータの開発及び臨床応用について発表した。また、開発した腎盂形成モデルについては、小児内視鏡手術に特化した著書にて執筆し、2020年度に掲載される予定となっている。 気腹モデルおよび併存する新生児胸郭モデルを用いる事で、小児新生児および幼児特有の手術術野を経験することが可能であり、卒前教育及び卒後教育の一環としての外科教育への応用が可能であることを確認し、2018年度より筑波大学附属病院実習中の医学生及び卒後臨床研修医および外科専攻医に対する内視鏡手術手技やバーチャルシミュレーションのための教育ツールとして使用している。並行して疾患シミュレータを使用した教育カリキュラム検証のため、ドライボックスを用いた被験者の選定および技量の確認を継続しており、定期的な内視鏡手術手技のトレーニングも行っている。他の外科教育ツールとして開腹下での肝切除シミュレータを使用した教育も行っており、データ解析・論文化を進めている。 データ収集やトレーニングが流行性疾患のため中断を余儀なくされているが、カリキュラム作成、データ収集は行っていく予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな中空構造を有し、ワーキングスペースの比較的大きな腎盂形成モデルの開発は、内視鏡手技を修練中の医師及び医学生にとって、評価手技の難易度を適度に軽減でき、有用な疾患モデルとして開発することが出来た。更に、これらの開発過程および実際の術前シミュレーションおよび臨床応用については、各学会で報告するとともに小児内視鏡手術に特化した著書へ掲載した。 一方でカリキュラム作成前の被験者選定段階での、医学生及び修練医のドライボックスでのトレーニング継続および評価について継続困難な状況を認め、データ収集の中断を余儀なくされているため、引き続きトレーニング可能な施設内のルールおよび被験者の選定を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに開発した腎盂形成モデルを用いた縫合手技により、管腔構造の縫合での客観的技術評価の最終タスクとする。縫合不全を簡易的にチェックする機構と実際の手技の動画評価をスコアリングシステムを用いて採点することで、カリキュラム毎のトレーニング効果を比較検討する事を可能とし、作成した二種類のカリキュラムについてよりよいシミュレータを用いた外科医育成システムの構築を行っていく。 一方で、被験者選定および基礎技術の習得のためのトレーニング過程で、医学生及び修練医の指導・データ収集を行ってきたが、トレーニング中断を余儀なくされた期間のバイアスについては、結果の検討とともに考察する必要がある。
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Causes of Carryover |
2019年度は開発した疾患モデルの改良および網羅的疾患シミュレータとして気腹モデルを用いた術野シミュレーションの教育ツールとしての評価を行っており、計測機器の必要経費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。今後、硬性鏡および手技動画保存のための光源と記録用機器、計測装置の購入を行い、トレーニングカリキュラム作成を継続してい行っていく予定である。
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Research Products
(7 results)