2020 Fiscal Year Annual Research Report
Reevaluation of anticancer drug efficacy: a systematic review and meta-analysis using restricted mean survival time (RMST) as an efficacy parameter
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18K18416
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
金子 真之 北里大学, 薬学部, 助教 (90725326)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メタアナリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究において、卵巣がんに対するpoly(ADP-ribose) polymerase(PARP)inhibitorの治療効果を評価することを目的としたメタアナリシスの論文を、本研究の対象論文として決定した。2020年度は、より最新の試験も含めてメタアナリシスを実施するために、電子データベース(MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials)を用いたシステマティックレビューを新たに行い、追加でメタアナリシスの対象となる臨床試験の有無について調査した。システマティックレビューの結果、メタアナリシスの対象となった臨床試験の論文やその周辺情報から抽出した情報を用いて、progression-free survival(PFS)に関するtime-to-eventデータの再構築を実施した。再構築したデータを用いて各試験におけるPARP inhibitor群とプラセボ群のrestricted mean survival time(RMST)およびその群間差を算出し、メタアナリシスを実施した。 卵巣がんに対するPARP inhibitorの治療効果に関して、hazard ratio(HR)を有効性の指標として用いた先行研究のメタアナリシスの結果と、臨床的解釈がしやすく、モデルに依存しないという有用性を持つRMSTの群間差を有効性の指標として用いた本研究のメタアナリシスの結果の比較を行った。その結果、先行研究で報告されたPARP inhibitorの治療効果は、本研究で異なる指標を用いて再評価した場合においても確認された。 本研究において、先行研究とは異なる指標を用いた解析で同様の結果が得られたことから、卵巣がんに対するPARP inhibitorの治療効果は頑健なものであると考える。また、本研究で示したPARP inhibitor群とプラセボ群のRMSTおよびその群間差は、PARP inhibitorの治療効果に関する新たな臨床的知見の一つとなることが期待される。本研究の成果をまとめた研究論文は、国際学術誌に採択された。
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