2019 Fiscal Year Research-status Report
赤外光を用いた皮下筋変化計測および物体把持支援のパワーアシストグローブの開発
Project/Area Number |
18K18424
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
吉岡 将孝 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 助教 (80805804)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 赤外線 / パワーアシスト / 筋活動 / ワイヤー駆動 / 重回帰分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、パワーアシストグローブに関する研究および赤外線による筋活動推定を行った。まずパワーアシストグローブでは、ワイヤによる指先のパワーアシスト実現のため、指の腱構造を再現することを目指した。指の屈曲に関する腱は十字靭帯によって支えられ、筋肉によって腱が引っ張られることによって、各骨の十字靭帯間の距離を縮めて、関節を曲げている。この十字靭帯は腱からの力を骨に分散させることで、屈曲と骨への力の伝達を行っていることから、本研究では十字靭帯を模したグローブを作成し、ワイヤの力を指全体に伝え人間の手に近い器用さを得るパワーアシストグローブを製作した。より良い十字靭帯間の距離を求めるため、指の節の長さ±5mmの1mmずつ変化させた十字靭帯を模したサポーターを用意し、ワイヤの引っ張る長さを変える実験を行ったところ、十字靱帯間の距離が指の節の平均値に近いほどワイヤの引張長さに対する屈曲角度が最も直線的に変化していることを確認された 次に、赤外線による筋活動推定では赤外光を用いて手指の運動に関連する筋活動を測定し、重回帰モデルを作成することで、赤外光の照射角依存性および手指の運動速度依存性について評価を行った。赤外線LED照射角が5,10,15[deg]に変更する治具を作成し、前腕部に取り付け指の曲げ伸ばし動作を行った。どの照射角においても赤外線反射は検出することが出来たが、照射角ごとの赤外線反射量の有意差を見ることは出来なかった。また、指の運動速度を変えた実験では、運動速度に関われずそれぞれ指の角度と重回帰モデルとの間に強い相関があることを確認した。したがって、赤外光を用いることで人の筋活動を測定することが可能であり、シンプルな重回帰モデルでも指の角度を推定することが可能であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人が装着するパワーアシストグローブの設計において、素材および固定方法が確立しておらず、試行錯誤しているところがある。赤外線による筋活動センサに関しては姿勢による基線動揺の抑制などの課題が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度で作成した十字靭帯を模したサポーターを基に親指を除く4指の支援を行うことが出来るパワーアシストグローブの作製を行う。指の装着部には各骨に密着する調整機能を有する固定具の開発を行い、ワイヤの駆動装置との接続を行い、赤外線筋活動センサによるパワーアシストの評価を行う。 測定された赤外線筋活動の個人差があるため困難であり、被験者を増やす,測定を繰り返す,などして統計を取る必要がある.また、モデル構築まで時間がかかる問題がある。そのため、今年度はディープラーニングを導入し,使用者の情報を学習させることでパラメータを決定し補正を行う。より定量的な筋活動評価手法へ発展させ,パワーアシストグローブ制御を行う。
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